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スマート化でネガティブ吹っ飛ぶオートバイ、水面下で人気上昇中スマートモビリティーで激変する乗り物と移動のかたち(1/3 ページ)

» 2019年02月26日 07時00分 公開
[野間恒毅ITmedia]

 自動運転車など、AIやIoT技術などの先端テクノロジーは「自動車」に欠かせないものになっている。新たな局面を迎えつつある乗り物の未来やトレンドを、親しみやすい身近な話題かつ、IT寄りの視点で紹介していく新連載。

この連載の筆者について:

野間恒毅(のまつねたけ)。ブロガー&ライター、ライダー&ドライバー。ソニーでVAIO用ソフト、VR、ネットサービスを企画開発。ニューヨーク大学留学でIoTを学んだのち、ブログソフト会社に転職。その後起業しウェブシステム、スマホアプリ開発を手掛ける。現在自動操船ヨットのスタートアップを立ち上げ、漁業のスマート化に取り組む。


 我々の生活の中でもっともポピュラーな移動手段は通勤・通学の足となっている鉄道、自動車、自転車である。一時は生活の足として、戦後多くのメーカーを生み出した二輪車(オートバイ)も含まれていたが、高校生に免許を取らせナイ、買わせナイ、運転させナイの「3ナイ運動」や路上駐車の重点的な摘発などによりオートバイ離れを引き起こし、今では一部の愛好家のものとなった感がある。だが、実はここ最近様子が変わってきているのだ。

世界的な二輪ブーム、二極化する市場

 国内市場をみてみると二輪車の販売台数は、80年代の230万台から35万台にまで著しく落ちている(JAMA)。ところが世界市場に目を向けると事情は大きく異なる。特にアジア市場では今まさにモータリゼーションの波がやってきており、特にインド市場では2000万台を突破、2位の中国の700万台に大きく差をつけ霞ませるほどだ。売れ筋は125cc以下のスクーターや小型オートバイが中心である。

 一方成熟した市場の欧米や日本では大排気量の高額なオートバイが人気となっている。特にリターンライダーと呼ばれる、若いころ乗っていたライダーが50代になって、オートバイを復活する、つまりリターンするというケースが多い。

 このようなアジア新興国市場と成熟した欧米・日本市場という二極化に対して各オートバイメーカーが今力を入れているのが125〜250ccクラスだ。

 250ccクラスは日本では普通二輪免許(400cc未満まで、昔の中型二輪)で運転でき、高速道路に乗れるが、面倒で費用のかかる車検がないため人気のエントリークラスである。

 アジア市場は125ccクラスがメインだったが、昨今市場の成熟にともない排気量が大きい150〜250ccクラスがハイエンドとして注目されている。つまり日本ではエントリークラス、アジアではハイエンドクラスとして、二極化する市場をまたがって開発される250ccクラスがホットなのだ。

photo 250ccのHONDA CBR250RR
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