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「カメ止め」クレジット表記騒動、“原作者”と映画製作側が和解

» 2019年02月27日 18時25分 公開
[ITmedia]

 大ヒット映画「カメラを止めるな!」の“原作者”という和田亮一氏と、映画を製作したENBUゼミナールが、クレジット表記を巡って意見が対立していた件で、同社は2月27日、和田氏と和解したと発表した。同作の上田慎一郎監督と並んで、和田氏を「共同原作」とするなどして「それぞれのオリジナル性を互いに尊重する気持ちをくんだ」と説明している。

photo 「カメラを止めるな!」公式サイトより

 上田監督が、和田氏が演出した劇団「PEACE」の舞台「GHOST IN THE BOX!」に着想を得て映画を企画・制作した――ということに対し、和田氏がクレジットに「原案」ではなく「原作」として劇団名、作品名を入れるよう主張。原案は「作品を作るに当たって参考にしたアイデア」、原作は「その作品を作るための元の作品」だと違いを説明していた。

 ENBUゼミナールは、和田氏に敬意を表す意味で「原案:劇団PEACE『GHOST IN THE BOX!』」というクレジット表記を提案したと説明。一方で「映画は上田監督自身による脚本、監督、編集というように、舞台とは独自の形で進め、ストーリーは舞台とは全く別物である上、脚本の内容も異なる」というコメントも出していた。

 上田監督によれば、その後「両陣営で冷静に話し合いを重ねた」といい、「“お互いのオリジナル性がなければ産まれなかった作品”ということで気持ちが一致した」という。新しいクレジット表記では、「共同原作」として和田氏、上田監督を併記する他、「企画開発協力」として、劇団PEACEの元劇団員・荒木駿氏、大坪勇太氏の名前を明記。また「Inspired by:『GHOST IN THE BOX!』(和田亮一/劇団PEACE)」の一文を加える。

photo ENBUゼミナールの発表文より

 和田氏は「上田監督、市橋プロデューサー(市原浩治氏)や元劇団員と話し合いを重ね、お互いの気持ちを理解しあった上で本日を迎えることができた」とコメント。「この作品がたくさんの方々に愛され、多くの賞を受賞し、世の中に残っていく作品になったことを誇りに思う。そして同時に、これから先、共に創作をできるということをうれしく思う」としている。

 上田氏は「今後は本作をますます多くの方々に楽しんで頂けるよう、また、本作にまつわる今後の展開についても、お互いに協力しあって創っていければと思っている」と展望を述べている。

photo 和田氏、上田監督、市橋プロデューサーのコメント

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