探し物を見つけやすくするBluetoothの「方向検知」
Bluetoothを利用した「忘れ物防止タグ」を財布に付けていても、現在はおおよその距離しか分からない。しかしスマートフォンの画面で財布のある方向を示すことができたら……すぐに見つかるかもしれない。Bluetooth SIG(Special Interest Group)のカイ・レン氏(アジア太平洋地域のデベロッパー・リレーションズ・マネージャー)が日本の報道関係者に向け、Bluetoothの新機能「方向検知」を紹介した。
従来のBluetooth位置情報サービスでは受信信号強度(電波の強さ)を測定することでデバイス間の距離を推定しており、より正確な場所を割り出すためにはロケーターと呼ばれる固定受信機を複数設置し、それぞれの受信状況と位置から三辺測量で導き出す必要があった。精度は、倉庫などで使われる標準的なリアルタイム位置情報システムの場合で「メートル単位」だ。
対して新しい方向検知では、送信側、受信側いずれかで複数のアンテナを使用する必要があるが、精度は大幅に向上する。2つの仕様があるのは、導入するデバイスやサービスに合わせて選択するためだ。
例えば受信機にアンテナアレイを設けると、発信機から各アンテナまでの距離が異なるため、そこに発生する受信信号の位相差をもとに相対的な方向を計算するという。これを受信角度と呼ぶ。
逆に送信機に複数のアンテナを設けた場合、アクティブなアンテナを切り替えながら特殊なパケットを送信。受信機は信号の同相および直交位相サンプルをとり、相対的な方向を計算する。こちらは放射角度と呼ばれる。
忘れ物防止タグの場合、「まずスマートフォンで信号強度から財布との距離を推測し、さらに受信角度で方向が分かるため、楽に発見できるようになる」(レン氏)。一方、倉庫のリアルタイムシステムなどでは精度が向上。「どこの棚に目的のものがあるかまで分かり、作業効率が上がる」としている。
Bluetoothの方向検知を使うためには、デバイス側に対応するチップセットと今年1月にリリースされた新しいBluetoothコア仕様(バージョン5.1)を導入する必要がある。ただし規格上はオプション仕様のため、スマートフォンなどに導入するかはメーカー次第だとしている。
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