ITりてらしぃのすゝめ
現金にはない「キャッシュレス決済」のリスク(1/2 ページ)
最近では経済産業省が「プレミアム“キャッシュレス”フライデー」なる施策を打ち出すなど、国を挙げてキャッシュレス決済を推進しています。
クレジットカード、電子マネー、そしていま話題のQRコード決済など、キャッシュレス決済は私たちにとって身近なものになってきていますが、便利さの裏には“リスク”もあります。今回のコラムでは、「お金」にまつわる話をIT的な視点でいま一度考えてみたいと思います。
連載:ITりてらしぃのすゝめ
「身近な話題を例にITリテラシーを高めていこう」がコンセプト。さらっと読めて人に話せる、すぐに身につく。分かりやすさ重視で解説。小ネタも扱います。
(編集:ITmedia村上)
クレジットカード不正利用の現状
日本におけるクレジットカードの普及率は年々上昇しており、日本クレジット協会によると、全クレジットカードのショッピング枠合計を表すクレジットカードショッピング信用供与額は年々増えており、2017年度は前年比8.2%増の58兆3711億円でした。カード発行が増えているだけでなく、その使用率が判断できる未返済残高ともいえる信用供与残高は11兆384億円(2017年12月末時点)という数字で、それなりにクレジットカードは利用されているのが分かります。
利用者が増えているクレジットカードですが、不正利用の問題も深刻になってきています。日本クレジット協会が公開している「クレジットカード不正利用被害統計」を見てみましょう。
ここからいくつか興味深いことが分かります。クレジットカード不正利用被害額は減ってはいないものの、「偽造カード」の被害は明らかに減っています。これまではクレジットカードの磁器テープをスワイプして情報を抜き取り、新しいカードを複製して偽造するという手口が多かったのですが、いまは「ICチップ」搭載のカードが増えました。ICチップは複製が難しく、最新の設備を持つ店では店員がカードを手に取ることなく決済ができるようになっています。それもあり、偽造そのものは被害額が減っているのです。
ただし、やはり問題は「クレジットカードの番号盗用」です。これはECサイトなどからカード情報が流出し、ネット上に存在するブラックマーケットで売買された結果、不正な利用が行われるというもの。ネットでクレジットカードを利用する限り、そこから情報が漏えいして被害を受けることはリスクとして認識しなくてはなりません。とはいえこれらの数値はあくまで、既に各カード会社が“不正利用されたことを認識している”金額です。基本的には各カード会社の会員規約に基づいてカード会員にその責がないとされれば、不正利用された額の支払い義務はありません。
不正にカードが利用されたとしても、その事実が把握できている間は、私たちはむしろ安心してクレジットカードを使えるとも考えられます。その点では現金よりも安心できると、私は認識しています。
浸透する電子マネー、クレジットカードとはどう違う?
FeliCaなど非接触IDを使った電子マネーも私たちにとって身近なものです。日本では2004年からNTTドコモによる「おサイフケータイ」が登場し、携帯電話事業者の垣根を越え普及が進みました。特に交通系電子マネーであるSuicaは利用頻度も高く、2016年に発売された「iPhone 7/7 Plus」や「Apple Watch Series 2」が電子マネーに対応してからはさらに身近になっています。
私もメインの電子マネーは、クレジットカード後払いに対応したポストペイド電子マネー「iD」を使っており、それが使えないところではSuicaを利用するので、普段の生活でほとんど現金で支払うことがなくなりました。
物理的なおサイフは小さなものになりましたし、自動販売機も電子マネー対応が進み、小銭を使う必要もありません。荷物が減り、お財布を落とすリスクが減ったものの、逆にスマートフォンの重要性が高まることになるため、画面ロックや電子マネーのアプリロックなどは以前よりも厳重に行うようになりました。
多くのコンビニエンスストアやショップなどは、電子マネー対応していればクレジットカードも利用できることがほとんどです。最終的にはクレジットカードで引き落とされるならば、電子マネーではなくクレジットカードそのものを利用すればいいと思うでしょう。でもそこにはほんの少しの違いがあります。それはクレジットカード番号そのものが利用されるか否かという点です。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ITりてらしぃのすゝめ
「身近な話題を例にITリテラシーを高めていこう」がコンセプト。さらっと読めて人に話せる、すぐに身につく。分かりやすさ重視で解説。小ネタも扱います。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
新作「鬼武者」にハマったマンガ家が熱弁する、他とは違う“パリィ”の魅力とは?
-
2
経営「AIでラクして早く帰って」→社員「帰らない」 工数最大9割減のDeNAも悩むAI効率化の壁
-
3
Google、「Googlebook」の予約受付開始 899ドル(約14万円)から
-
4
OpenAI、数学者の独立諮問グループと連携 内部モデルは「100件超の未解決問題を解決」
-
5
“自動で耳コピ”アプリ、ヤマハが無料公開 音源読み込み→3分でピアノ譜に
-
6
YouTube、収益化基準を2027年に大幅引き上げへ 新規参加条件が従来の2倍に
-
7
Amazon、MetaのAIエージェント「Muse」による代理購入をブロック Shopifyは全店舗で対応へ
-
8
肖像画をChatGPTに読み込ませて出力→加工して納品 委託先による著作権侵害で、小学館「サライ.jp」が謝罪
-
9
OpenAI、フロンティアAIの国際標準づくりを米国主導で進めるよう提言 「RSIはまだ起きていない」
-
10
SpaceXAI、「Grok 4.7」発表 コーディングと知識労働向けで同社最高性能、価格は据え置き
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR