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» 2019年04月26日 13時22分 公開

“千切りキャベツ50グラム”をつかむロボットアーム、強化学習で実現 東大松尾研とロボコム

決められた量の千切りキャベツをつかめるロボットアームを、東大松尾研とロボコムが共同開発した。人間が手作業で行っている弁当や総菜の生産ラインなどの自動化を目指す。

[ITmedia]

 ロボット設計開発ベンチャーのロボコム(東京都港区)と東京大学松尾研究室は4月24日、決められた量の千切りキャベツを取りわけるロボットアームの動画を公開した。食品工場における生産ラインの作業を自動化する狙い。

ロボコム YouTubeより

 食品工場における作業は機械化が難しいものが多く、特に千切りキャベツのような柔らかく細かい食材を決められた量だけ取り分ける作業は、自動化が困難とされていた。松尾研が持つAI(人工知能)技術と、ロボコムが持つロボティクス技術を合わせることで、今回の技術が実現した。

ロボコム

 機械学習の一手法である強化学習を用い、ロボットアームの制御を機械自身に学習させた。今回の実験ではアームでつかむキャベツの量を50グラムに設定。最初はほとんどキャベツをつかむことができなかったが、2時間かけて200回学習させた結果、目標値である50グラムとの誤差の平均は4.88グラムにとどまったという。

ロボコム
ロボコム
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 ロボットのハンド部分は、独自に設計して3Dプリンターで作成した。センシングを含めたシステム構成を極力シンプルにすることで、導入費用とメンテナンス工数の削減も実現したとしている。

 システム構築には、ロボット競技の世界大会「World Robot Challenge 2018」のものづくり競技カテゴリーで参加チーム中、唯一課題を完遂したオフィスエフエイ・コム(栃木県小山市)が協力した。

 東大の松尾豊教授は、「食品分野は大きな可能性のある分野の1つ。今後も人手不足という大きな社会課題の解決に向け、AI技術の産業活用を進めていきたい」とコメント。7月9日から東京ビッグサイトで開催される、食品業界向け機械の展示会「FOOMA JAPAN 2019」にデモ機を展示する予定だ。

ロボコム

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