声で操作できるスマートスピーカーにディスプレイを組み合わせた「スマートディスプレイ」が市場に出そろいつつある。各社は価格を抑えた小型モデルを相次いで投入しており、スマスピの主流は徐々にディスプレイ搭載モデルへと移行しそうな印象だ。だがメーカー側は、あくまで多様な選択肢を提供するのが狙いで、スマートディスプレイを音声デバイスの主力製品に位置付ける意図はないという。
アマゾンジャパンは6月26日に5インチのスマートディスプレイ「Amazon Echo Show 5」(9980円、以下税別)を発売する。競合のGoogleも12日に「Nest Hub」(1万5120円)を発売済みで、いち早く国内で投入された「Amazon Echo Show」(2万7980円)や「LINE Clova Desk」(2万7540円)に比べればハードウェアの仕様に違いはあるが、手の届きやすい価格だ。
発売を間近に控えるEcho Show 5の記者向け説明会に登壇したアマゾンジャパンの大木聡さん(リージョナルディレクター Alexa アジア パシフィック Alexa Experience & Devices)は、「スマートスピーカーはディスプレイ搭載モデルへの移行が進むのか」という質問に否と答えた。
「私たちが『Alexaの主力製品はこれだ』と考えることはない。ユーザーに多様な選択肢を提供することが第一だ。『Alexa』が使える分野は幅広く、最終的にどの製品がユーザーの利用シーンに適合するかで、メインストリームと呼ばれる製品が決まっていくのではないか」(大木さん)
Echoシリーズにも搭載され、スマートスピーカーの頭脳ともいえるAIアシスタントのAlexaでは、サードパーティーが自社製品に組み込める仕組みを構築。オーディオ製品に限らず、PCやタブレット、スマートミラー、スマートホームなどへの対応も広がりつつある。
一足早くGoogleが発売したNest Hubに対するユーザーの反応を見ると、音声だけでなくディスプレイに情報を表示できるメリットを評価する声も少なくない。
当初はスマートフォンやタブレットと差別化できないと疑問視する声もあったが、スマートスピーカーとほぼ変わらない価格でディスプレイが付いてくるともなれば、スマートディスプレイを選ぶユーザーは増え、音声デバイスの人気製品の座に就いて主流になることも十分にありそうだ。
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