欧州宇宙機関(ESA)は7月4日(現地時間)、低重力を効率よく移動するために“飛び歩く”惑星探査ロボット「SpaceBok」を発表した。スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH Zurich)とチューリヒ応用科学大学(ZHAW Zurich)の学生チームが設計、製造し、オランダにあるESAのテクニカルセンターでテスト中だ。
月面や火星などの重力が低い環境では、すべての足が地面から離れるジャンプしながらの歩行が効率的だが、ロボットでジャンプ歩行を実現するための計算能力とアルゴリズムの開発は難しい。
開発チームは、衛星の方向制御に使う「リアクションホイール」という方法を応用し、ジャンプの加速・減速を調整できるようにした。また、4本の脚に組み込んだバネで、着陸時に蓄えたエネルギーを離陸時に放出するようになっており、移動に必要なエネルギーの大幅削減に成功した。
公開された動画(記事末に転載)では、SpaceBokが米Boston Dynamicsの「SpotMini」のような4足歩行だけでなく、ジャンプ歩行している様子が見られる。
今のところ、月の重力条件(地球の6分の1)でのシミュレーションで、ロボットは1.3mのジャンプで移動している。
今後は、障害物や起伏のある地形などのリアルな環境でのテストを行い、最終的には屋外でもテストしていく計画だ。
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