こうした課題を改善するため、同社はBoxと社用のiPhoneを導入し、園児の様子をまとめた書類をクラウド上で共有・閲覧できるようにした。会議を効率化するために、オンラインで複数のメンバーがリアルタイムで文書を編集できる機能「Box Notes」を活用。10カ所から集まった保育士が、会議中に議事録を確認・編集できるようにし、効率を高めた。
石崎さんは「紙で全てを管理していたときとは比べようもないほど改善した。各園の園長が、1カ所の保育園に資料を持っていく作業などが不要になった」と話す。
「当社は若い職員が多く、20代の園長もいる。10カ所も保育園があれば、それぞれでいろんな出来事が起きるので、(教育の)ノウハウを(全ての保育園で)共有できれば、職員の成長につながる」と、社員教育の面でも手応えを得ているという。
今後は、iPhoneの配布対象を全職員に拡大し、Boxのアプリを使って「子どもがけがをした」「保護者からこんなクレームがあった」などの情報をリアルタイムで共有できる仕組みづくりも目指す。
石崎さんは「デスクワークをしている会社員とは違って、保育士は園児の世話をしているときはPCを扱えない」と業界特有の課題を指摘。「全員がiPhoneを首から提げ、エプロンにしまっておけば、子どもにもぶつからない」とし、導入後は保育士が効率よくBoxアプリを使用できると説いた。
将来は「施設数を10カ所から30カ所に拡大し、1000人の園児を預かりたい」と石崎さんは意気込む。「現段階でも(1人の職員が1日では)回り切れないほどの施設数になっている。ここから30カ所へと広げるには、クラウドサービスを使った情報共有がより必要になる。既存のイメージに捉われることなく、新しい保育園を作っていきたい」(石崎さん)
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