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» 2019年08月27日 07時00分 公開

IT基礎英語:国家関与のハッキングは「state-sponsored」 国家がスポンサーする攻撃とは?

香港での抗議デモに関連して、中国政府がSNSの世論操作を図ったとされている。こういうときには「state-sponsored」を使う。

[鈴木聖子,ITmedia]

 香港で続く抗議デモを巡り、中国政府がSNSの不正アカウント経由で世論操作を図ったとして、TwitterやFacebookがそうしたアカウントの停止を発表した

 国家が絡むこうした不正やサイバー攻撃に関連して、「state-sponsored」という用語をよく見かける。Twitterの発表では「state-backed」という用語も使われているが、いずれも同じような意味。特定の国の政府が誰かに不正行為をさせていると非難する文脈で、形容詞として「state-sponsored attack(国家が支援する攻撃)」「state-sponsored hacking(国家が支援するハッキング)」のように使われる。

 「sponsor(スポンサー)」という言葉で一番馴染み深いのは、テレビ番組のスポンサーだろうか。ここでは特定の番組を後援する広告主としておカネを出す企業がスポンサーと呼ばれる。

 state-sponsoredのスポンサーも同じだが、この場合のスポンサーはstate、つまり特定の国の政府のこと。「このハッキングは、ご覧のスポンサーの提供でお送りしています」というテロップは流れないけれど。

 米国の大手IT企業やセキュリティ企業はよくこの手の発表をする。

Microsoft said it has notified close to 10,000 people in the past year that they have been targeted by state-sponsored hackers.(TechCrunch

Microsoftは過去1年で約1万人に、国家が関与するハッカーの標的にされていると通知した。

 この手のハッキングや情報操作といった攻撃では、大抵の場合、反政府運動や民主化要求運動の活動家、敵対する国家の情報やインフラなどが狙われる。

 stateという言葉もsponsorという言葉も、それ自体に悪いニュアンスはないのだけれど、stateとsponsorがつながると、圧倒的に悪い行為の形容詞として使われるケースが多い。

 その代表格として、米国務省は特定の国を「State Sponsors of Terrorism(テロ支援国家)」に指定している。

photo 米国務省の「テロ支援国家」ページ
photo テロ支援国家と指名されている国々

 ただ、不正行為をスポンサーしていると名指しされた国がそれを認めることはまずないし、本当に不正に関与したことを裏付ける具体的な証拠が見つかったという話もまず聞かない。私自身が日頃引用している米国発のニュースや企業の発表も、背後に思わぬスポンサーが付いていないという保証はない。

 どちらにしても、世界はテロやサイバー攻撃や情報操作を後援するスポンサーだらけというのが実情らしい。

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