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心地よさの秘密は? AirPods Proの考え抜かれたUX(2/2 ページ)

» 2019年10月31日 16時27分 公開
[大石結花ITmedia]
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パーソナライズされたサウンド

 素晴らしい音質に必要なのは、より高い密閉性だ。だが、密閉性が高いとされているカナル型のイヤフォンに抵抗がある人の多くは、耳に圧がかかって耳抜きできないような気持ち悪さを感じているのではないだろうか。AirPods Proは、イヤーチップによって耳栓のように隙間がなく密閉されているが、通気孔によって圧力を均一にするために圧迫感がかなり少ない。むしろ密閉性が低いAirPodsよりも、圧のかかり方が少ないように感じる。

 密閉性を保ちつつ、カナル型特有の気持ち悪さを取り除いたら、次に必要なのはパワフルなドライバだ。Appleが独自に開発した、専用設計スピーカードライバによって低音を再現し、アンプによってよりクリアなサウンドを生み出す。

 さらに、アダプティブイコライゼーションという機能で、耳の形に合わせて自動的に低・中周波を調整してくれる。他のハイエンドイヤフォンと違い、自分好みのサウンドに手動で調整することはできないが、何も手を加えなくても誰もの耳の形に合わせてチューニングしてくれる(ミュージックアプリの設定でイコライザーをチューニングすることは可能)。

シームレスなモードの切り替え

 AirPods Proの最大のセールスポイントは、ノイズキャンセルと外部音取り込みモードだろう。ノイズキャンセルの性能はトップクラスだ。オンにすると、街の喧騒、電車の音が消え、自分が主人公として映画の中に存在しているような感覚になる。外部音取り込みモードは、英語では“Transparency mode”というネーミングが秀逸だ。まるでAirPods Proが透明になったように、自然に環境音が入ってくるが、実は耳の中の反響音にはノイズキャンセルがかかっているため、通話中の自分の声も自然に聞こえる。

photo 映画の主人公になったような感覚に

 注目したいのは、モードの切替時のUXだ。AirPodsのようにタップして操作する方法は、密閉性の高いAirPods Proで行うと、外側にマイクがついていることもあり、衝撃が耳の奥まで伝わってきて気持ち悪い。そこで、新しく感圧センサーが柄の部分に加わり、ここをクリックしたり長押ししたりすることでコントロールできる。

 長押しでノイズキャンセルと外部音取り込みモードを行き来することができ、スイッチングするときにフェードイン・フェードアウトする。切り替えるときにストレスがないこと、長時間付けていても疲れないことと相まって、AirPods ProをTPOに応じて付け外しするのではなく、付けたままモードを切り替える使い方ができる。

photo AirPods Proを取り出し、カフェでお仕事モード

最後に

 今回はスペックを見ただけでは分からない、UXの部分に注目した。もっと総合的に知りたい方は、この動画もチェックしていただきたい。Twitter(筆者アカウント)でいただいたよくある質問にも回答している。

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