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楽天、基地局開設は「前倒しで完了」と自信 商用化時期は未定のまま

» 2019年11月07日 19時09分 公開
[ITmedia]

 楽天の三木谷浩史会長兼社長は、11月7日に行った2019年第3四半期の決算説明会で、携帯キャリア事業への本格参入が遅れている楽天モバイルの進捗(しんちょく)について「12月末までに基地局3000局を開設できる見込み」と話した。総務省に提出した「年度末までに3432局」という計画に対し、「前倒しで完了できる」と自信を見せる。

楽天の三木谷浩史会長兼社長

 楽天モバイルは10月から東京、大阪、名古屋の一部で携帯キャリアサービスの試験提供を開始。当初は10月に、料金プランの発表も含めて本格参入すると見られていたが、5000人限定の無料サービスの運用にとどまっている。用地交渉が進まず基地局整備が遅れ、総務省からは3度の行政指導を受けた。

 無料サービスが始まってからは、ユーザーから「回線がつながらない」という声が相次いだ。会見で三木谷会長は「新規事業者であるから始めから全てをカバーできるわけではない」と断った上で「屋外はほぼつながるようになってきた。地下や屋内については改善していく必要がある」と話した。

 10月末時点での基地局数は2300局で、別途1000局の建設予定地を抑えている。12月末には基地局数を計3000局とする他、建設予定数も1500局まで拡大したいとしている。

 「基地局の建設は当初よりも前倒しで完了できるのではと思っている」(三木谷会長)としたが、本格的な商用サービスの開始時期についてはコメントを控えた。

12月末の基地局開設状況(決算資料より)

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