ITmedia NEWS > 企業・業界動向 >
ITmedia AI+ AI活用のいまが分かる

ANA、分身ロボ「newme」普及に本腰 100体を東京・日本橋に設置へ 遠隔地からの買い物など実現

» 2019年11月27日 18時57分 公開
[ITmedia]

 ANAホールディングス(HD)は11月27日、三井不動産と協業し、遠隔操作に対応したコミュニケーションロボット「newme」(ニューミー)を12月から東京・日本橋エリアに順次配置すると発表した。newmeを設置した特設ショップを期間限定でオープンし、遠隔地から買い物ができるようにする。2020年からはイベント会場やオフィスなどへの設置も進め、エリア全体に計100体のnewmeを投入する予定。

photo ANAHDのコミュニケーションロボット「newme」(2019年10月に「CEATEC 2019」で撮影)

 newmeは細長い胴体の上部に、10.1インチディスプレイを搭載したロボット。カメラやマイクも備えており、遠く離れた場所の様子を見たり、画面を介してビデオ通話したりできる。下部にはホイールを搭載し、タブレット端末を使った遠隔操作が可能だ。

 体の不自由な人などが自宅や病院にいながら、newmeにデパートや観光地を巡らせて買い物や観光を楽しんだり、ビジネスパーソンが遠隔地から会議やカンファレンスに出席したり――といった用途を見込んでいる。

 ANAHDは20年夏までに1000体のnewmeを実用化する予定で、今回の協業はその第一歩となる。20年1月には、日本橋エリアで開催予定の花をテーマにしたデジタルアート展「FLOWERS BY NAKED 2020-桜-」にnewmeを設置し、遠隔地からアートを見られるようにする。

 3月には三井不動産が運営する宇宙ビジネス関係者向けのワークスペース「宇宙ビジネス拠点 X-NIHONBASHI」にnewmeを導入し、遠隔会議での利用を促進する。同月には日本橋エリアで暮らす人や働く人向けのフリースペース「flatto」への設置も進め、遠隔地からのサークル活動などへの参加を活性化する。

photo 日本橋エリアでの「newme」を使った取り組みの概要

 ANAHDは、最新テクノロジーを駆使し、あたかもユーザー自身がその場に存在するかのような遠隔操作体験を実現するサービスを「アバター」と呼称している。同社は「今後も多様なプレイヤーと連携しつつ、日本橋をアバター実装のショーケースとすることで、アバターの社会インフラ実装の加速と、日本橋における新たな産業の創造を図ります」とコメントしている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.