透明感のある肌、ふんわりとした髪の毛など、実際に存在する女子高生としか思えない架空のキャラ「Saya」。彼女はCGアーティストユニットがゼロから生み出したものだ。このSayaとの会話を通してAI技術を学べる体験型授業「1日転校生Saya」が、11月28日に鎌倉女学院高校(神奈川県鎌倉市)で開かれた。博報堂アイスタジオと博報堂は今回、他者が話す内容を認識し、返答する新技術「Talk to Saya」をSayaに実装。Sayaが生徒と会話できるようにした。授業にはSayaと同じ高校2年生が参加し、Sayaと話しながらAIの基礎を学んだ。
授業ではまず、担当教師が(1)AIは人間の考え方や行動をまねる技術であること、(2)最初から賢いわけではなく、大量のデータを学習してはじめて賢くなること――などの基礎知識を説明した。その上で、データの学習を生徒に体験してもらうべく、登場したのがSayaだ。
「まるで実写」と話題を呼んでいるSayaが登場した瞬間、生徒たちからは一斉に「かわいい!」の声が沸いた。その後生徒たちは5〜6人のグループに分かれ、「友達とは何か」をSayaに学習させるアクティビティーを体験した。
生徒が「友達とは○○である」などと、マイクに向けて個々人の考え方を話すと、Sayaが女の子の声で「もう少し簡単に言うと?」「なぜそう考えたの?」などと聞き返してくる。それに生徒が答えることで、友達とは何であるかをSayaが覚えていく。
生徒たちは「○○」の部分に、「共に支え合うもの」「第2の家族」といった真剣な回答から、「バレーボール」「イケメン俳優」などユニークなものまで、さまざまな内容をSayaに学習させていた。マイクの調子やシステムの影響によってうまく会話が通じない時もあったが、Sayaとのコミュニケーションを楽しんでいたようだ。
グループワークの終わりには、Sayaが「こんな意見がありました」と、生徒たちから話しかけられた内容からいくつかをピックアップして紹介。自分達が教えたことをSayaが学習し、自ら話してくれたことに、生徒たちも驚いていたようだ。
グループワークが終わると、Sayaは「バイバイ」と手を振った。それまで表情以外で大きな動きがなかっただけに、手を振り出した瞬間、生徒からは再び驚きの声が上がった。
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