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» 2019年12月24日 07時00分 公開

「電車内で筋トレなんてシュール」「カオスにならない?」──ネットでツッコミ、JR東の謎アプリが生まれた理由 (1/2)

山手線の車内でトレーニングができるアプリ「‘TRAIN’ing」(トレイニング)に対して、「電車内で筋トレなんてシュール」「カオスにならない?」などネットで声が上がっている。開発者にアプリ開発の理由や背景を聞いた。

[安田晴香,ITmedia]

 「電車内で筋トレなんてシュール」「カオスにならない?」――JR東日本が11月に公開したスマートフォンアプリに対して、ネットでこんな声が上がっている。それは、山手線の車内で行うトレーニング指南アプリ「‘TRAIN’ing」(iOS)。例えば、つり革につかまったまま肩を上げて肩回りを鍛えたり、手すりをつかんだままスクワットをして太ももを鍛えたり――といった運動ができる他、目を閉じて瞑想(めいそう)もできる。

 このユニークなアプリの開発を手掛けたのは、JR東日本の坂入整さんと小林知己さん。2人が所属する部署のJR東日本研究開発センターは、鉄道の安全性やサービス向上に向けて、列車の耐久試験やマーケティングリサーチ、サービス開発などを担う。坂入さんと小林さんに、アプリが生まれた理由や開発の苦労を聞いた。

1駅ごとにおすすめのトレーニングを配信

 アプリは12月26日までにダウンロードすれば、誰でも無料で利用可能。対象車両は「E235系」で、車両に搭載したBluetooth信号の発信機「Jビーコン」をスマホが受信すると、GPSを通じて乗車・降車タイミングや走行位置を検知する。アプリ上で乗り降りする駅、トレーニングのカテゴリー、車内の位置を入力すると、電車の混雑度を示す過去の統計データと組み合わせ、おすすめのトレーニングメニューを配信する仕組みだ。

 メニューは音声で案内するので、利用にはイヤフォンが必要。1駅通過する度にランダムに変化し、降車駅に着くと終了する。トレーニング履歴をグラフ化する機能も備える。

photo 「‘TRAIN’ing」の仕組み。「Jビーコン」とGPS、過去の混雑度データなどを踏まえプログラムを配信
photo 利用の流れ。トレーニングは音声ガイドとアニメーションで案内され、トレーニング実績は可視化される

車内で“成長”できるアプリを

 ‘TRAIN’ingアプリは、「電車は移動のための手段であるという認識を変えたい」という思いから生まれたという。電車の利用者が“成長”を感じられるような何かを提供できないか――そう考え、坂入さんと小林さんたちは議論を重ねた。

 他の研究員も交えてどんなサービスが良いかアイデアを出し合い、話し合いを進めた。その中で「人生100年時代だから、健康に役立つものはどうか」という意見が上がり、運動する時間が取れない人に向けたトレーニングアプリを開発することになった。

 アプリは1年半で開発できたが、それまでの道のりは決して平たんなものではなかった。

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