スマホ市場の主役がミドルレンジの価格帯に移る一方、さらに高価格なハイエンド端末が登場する「2極化」も進行している。その代表的な製品がSamsungの折りたたみスマホ「Galaxy Fold」だろう。日本でもauから約24万円という異例の高価格で発売され、話題を呼んだ。
一体誰が買うのか。背景にあるのは「2極化」だ。現代生活における必須アイテムとして老若男女がスマホを持ち歩く中で、自己表現の一部として人とは違う希少価値のあるスマホを持ちたい層は一定数存在すると、Samsungは分析している。
Samsung以外にも、Huaweiは画面が外側になるよう折りたたむ「HUAWEI Mate X」を、米Motorola Mobilityは日本のガラケーのように縦に折りたたむ「Motorola razr」を発表するなど、19年はまさに「折りたたみ元年」となった。
折りたたみが一部のマニア以外にも普及するかどうかは、ハードウェアの成熟化や大画面を活用するアプリの登場にかかっている。だが、2つの画面を組み合わせた韓国LG Electronicsの「LG G8X ThinQ」、本体の外周全てを表示領域としたXiaomiの「Mi MIX Alpha」などを含め、20年は画面形状のバリエーションがますます広がりそうだ。
スマホの差別化競争をリードしているのはカメラ機能だ。「HUAWEI P30 Pro」は横倒しに搭載した光学5倍レンズ、iPhone 11は超広角レンズを搭載したように、これまでスマホが苦手としてきた望遠や超広角をカバーする形でカメラの数は増え続けている。
米Googleの「Pixel 4」のようにAI技術を駆使した画質競争も続いている。何枚もの写真を合成することで、三脚なしで驚くほど鮮やかな夜景写真が撮れることが増えてきた。背景にはプロセッサの進化がある。処理速度が上がれば上がるほど高度な画像処理が可能になり、見栄えのよい写真を生成できる仕組みだ。
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