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全焼した首里城正殿、3Dモデルでよみがえる 東大の研究者ら、ネットで集めた写真・動画から制作

» 2019年12月25日 15時19分 公開
[ITmedia]

 東京大学の研究者などが結成した「みんなの首里城デジタル復元プロジェクト」のチームはこのほど、ネットユーザーから寄せられた写真や動画を基に、首里城正殿の3Dモデルを作成したと発表した。10月に全焼した首里城の建物を再現したもので、実物が再建されるまでの観光資源として役立てる。

photo 作成した首里城正殿の3Dモデル

 同プロジェクトは11月、東京大学情報理工学系研究科の川上怜特任講師の呼び掛けでスタート。画像処理を得意とする研究者や学生、エンジニアなどの有志が集まり、ネットで募った画像、動画から3Dモデルを作成した。

 異なる視点から撮影した写真や動画を使って一つの3Dモデルを作り出す技術「Structure from Motion」(SfM)を活用。集まった約3000の写真と動画を機械学習で分類し、正殿の画像を取り出し、3Dモデルを完成させた。SfMと機械学習の他、手作業による調整も重ねたという。

photo スマートフォンからVRで疑似体験もできる

 正殿2階にあった王座の御差床(うすさか)や、琉球王の王冠も収集した画像から再現した。完成した3Dモデルは、公式サイトで公開している。今後は、北殿・南殿の3Dモデルも作成する予定。

 首里城では10月31日未明に火災が発生し、正殿など3棟が全焼した。再建には巨額の費用がかかるため、那覇市がクラウドファンディングで支援を募っている。12月25日午後2時半の時点で、約8億円の寄付が集まっている。

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