コンピュータで“錯視”の謎に迫る
みかん、オクラ、ニンニク──スーパーで見られる「色の錯視」を知ってる?(1/2 ページ)
冬はみかんの季節です。スーパーの果物売り場では、専用のネットで束ねられたみかんをよく見かけると思います。実はこのネット、みかんがより良く見えるように、とある“色の錯視”が使われているのです。
色にはさまざまな錯視がありますが、ここで使われているのは「色の同化」と呼ばれる錯視です。朱色のネットでみかんを覆うことにより、みかんの色がネットの色に同化して「よりおいしそうなみかん色に見える」というものです。
この他にも、スーパーでは緑のネットにオクラ、白のネットにニンニクを入れて、オクラやニンニクがより良い色に見えるよう工夫しています。
連載:コンピュータで“錯視”の謎に迫る
あなたが今見ているものは、脳がだまされて見えているだけかも……。この連載では、数学やコンピュータの技術を使って目に錯覚を起こしたり、錯覚を取り除いたり──。テクノロジーでひもとく不思議な「錯視」の世界をご紹介します。
色の同化とは
では色の同化とはどのようなものでしょう。JIS(日本産業規格)では、色の同化効果を次のように定義しています。
『一つの色が他の色に囲まれているとき、囲まれた色と周囲との色の差が少なく見える現象。この現象は,囲まれた色の面積が小さいとき,又は囲まれた色が周囲の色と類似しているときなどに起こる。』([J]より)
みかんやオクラなどを同じ系統の色のネットに入れると、囲まれた色がネットの色と類似しているので同化が起こると考えられます。
同じ系統の色でなくても、囲まれた色の面積が小さいときに色の同化が起ります。その例を作ってみましょう。(1)のような青みのある文字を黄色い輪郭線(2)で囲んでみます。すると(3)のように青い文字が黄色みを帯びて見えます。
注:錯視の見え方には個人差があり、人によって錯視が起こらないこともあります
「水彩錯視」
さて、2001年に心理学者のピンナ氏、ブレルスタフ氏、そしてシュピルマン氏が「水彩錯視」という新しいタイプの錯視を発見しました。色の同化では、囲まれる色の面積が小さい必要があったのですが、水彩錯視では囲まれた領域が広くても構いません。
水彩錯視を一つ作ってみましょう。例えば次のような波打った緑の線で領域を区切ります。
これだけですと、色の同化は(ほとんど)起こりません。しかし、より暗い色の輪郭を外側にもう一つ描いてみましょう。するとどうでしょう。囲まれた領域は白色なのに、領域全体が薄い緑の水彩絵の具で塗られているように見えます。
これがピンナ氏らによって発見された水彩錯視です。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
コンピュータで“錯視”の謎に迫る
あなたが今見ているものは、脳がだまされて見えているだけかも……。この連載では、数学やコンピュータの技術を使って目に錯覚を起こしたり、錯覚を取り除いたり──。テクノロジーでひもとく不思議な「錯視」の世界をご紹介します。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
プールにはおしっこが何リットル混じっている? 人工甘味料を基に計測 カナダチームが2017年に調査
-
2
セブンに「セルフ発送機」 レジ経由せず、約10秒で荷物を発送
-
3
東京23区で「徒歩10分以内」に駅がない地域はどこ? 駅空白地帯マップが話題
-
4
“ドパガキ”がショート動画を止められない理由 fMRIを使って若者の脳活動を分析 中国チームが研究
-
5
「洋服の青山」初の空調ウェア、自腹レビュー “きちんと感”なのに涼しい、よく考えられたデザインに驚いた
-
6
ダークパターン規制記事に、閉じにくい巨大広告 「これもダークパターンでは」ツッコミ殺到
-
7
「Microsoft Teams」障害か 朝から「会議に入れない」【復旧】
-
8
「nanacoクレジットカード」登場 利用額に応じATMで現金還元、日本初
-
9
Appleの“布”ほぼ半額に 新モデルが1580円で販売開始 変更点は
-
10
FANZA、成人向けAI創作・公開サービス「FANZAスタジオ」発表 先行体験は8月24日から
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR