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» 2020年02月07日 20時00分 公開

道路使用許可なし、警察の職質シーンも――富士フイルムのカメラ販促動画炎上、削除までの一部始終(2/2 ページ)

[谷井将人,ITmedia]
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鈴木さん、スタッフとも許可なし撮影 警察に写真を確認される場面も

 今回のPVは、「X100Vの、小型軽量で機動性に優れているという特徴をアピールするため」に作成したという。企画立案から撮影、編集までを社内で行ったとしている。

 問題となっているのは鈴木さんの撮影スタイルだ。富士フイルムは鈴木さんを採用した理由について「ストリートフォトグラファーとして海外で高い評価を得ていると認識していたため」としている。実際に、鈴木さんはイタリアの写真コンテスト「URBAN 2018 Photo Awards」で審査員長を務めるなど、写真家としての実績を残している。

photo 鈴木さんはイタリアの写真コンテストで審査員長を務めた経験も

 問題のPVは主に渋谷で撮影した。鈴木さんは撮影をする際、被写体となる通行人には事前事後を問わず許可を得ていなかったという。加えて、鈴木さんを撮影する富士フイルムのスタッフも警察に道路使用許可の申請はしていなかった。無許可で撮影した理由について同社は「今回の撮影に関しては、許可は必要ないと認識していた」と説明している。

 警視庁の「ロケ撮影と道路交通法について」という資料によると、ロケーション撮影や宣伝行為は要許可行為に定められている。東京都産業労働局観光部・東京ロケーションボックスは、「都内の道路・歩道・地下道などでロケを希望される場合には所轄の警察署に道路使用許可申請を行ってください」と、撮影時の道路使用許可を求めている。

 PV内には、鈴木さんが警察と話をしている場面があるが、これについては「カメラに写っている画像の確認を求められ、応えたもの」だとしている。

 Twitter上では、「完成したPVを見て、社内で誰も炎上しそうだと思わなかったのか」と疑問の声も上がっている。富士フイルムは、そのような意見が社内で出たかという問いに対しては言葉を濁し、「(社内での)チェックが不十分だった。不快な思いをさせることになって申し訳ないと思っている」と答えた。

 2月5日に問題のPVを公開した後、同社の社員がTwitter上でPVが炎上していると気付いたという。その後、「社内での協議の結果、動画を取り下げるべきだと判断した」(富士フイルム)としている。

 同社は謝罪文の中で、「多くの意見・指摘を真摯(しんし)に受け止め、今後このようなことがないよう努める」との姿勢を見せ、「引き続き写真の素晴らしさを多くの人々に受け止めてもらえるよう取り組む」としている。鈴木さんのTwitterアカウントは2月7日の時点で非公開になっている。

photo 鈴木さんのTwitterアカウント

【編集履歴:2020年2月12日午後1時 道路使用許可について、警視庁と東京都産業労働局観光部・東京ロケーションボックスのガイドラインを追記しました】



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