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KADOKAWAなど4社、Cloudflareと和解成立 海賊版サイト対策で連携

» 2020年02月20日 19時22分 公開
[ITmedia]

 KADOKAWA、講談社、集英社、小学館が2018年8月、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)大手の米Cloudflareに対し、海賊版サイトのキャッシュデータの配信停止を求める仮処分を東京地裁に申し立てていた件で、4社とCloudflareの間で19年6月に和解が成立していたことが分かった。出版広報センターが2月20日に発表した。

 4社が問題視している海賊版サイトが著作権を侵害したと裁判所が判断した場合、Cloudflareは海賊版サイトのキャッシュデータの保存・配信を中止する──という条件のもと、和解が成立したという。

 CloudflareなどのCDN事業者は、配信元のサーバデータをキャッシュデータとして一時的に複製・保存することで、配信元へのアクセス集中を緩和している。海賊版サイトの多くはこの仕組みを利用し、コンテンツを配信している。

 そのため、Cloudflareが海賊版サイトのキャッシュデータの保存・配信を中止すると、サイトの閲覧者は配信元のサーバに直接アクセスし、データを取得する手間が生じる。従来よりも閲覧に時間がかかる他、アクセスが集中するため、海賊版サイトの閲覧抑止につながる。

 これまで出版4社は、「星のロミ.org」など複数の海賊サイトについて、Cloudflareにキャッシュデータの保存・配信を停止してもらうよう準備を進めていたという。しかしいずれのサイトも、並行して米国で提訴した段階で閉鎖されたため、一定の効果が上がったと考え、和解成立を公表していなかったという。

 だが、出版広報センターは「海賊版サイトがCloudflareを利用しようとする動きは、その後も続いている」と指摘。「出版4社とCloudflareの間で既に対応策を構築していることを、海賊版サイトの運営者に知らしめることが警告になる」と判断し、今回の発表に至ったとしている。

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