楽天は3月3日、携帯キャリア(MNO)サービスの料金プランを発表した。顧客の分かりやすさを重視するとして、料金は月額2980円(税別)で無制限のデータ通信と通話ができるプラン「Rakuten UN-LIMIT」の一つのみ。同日午後4時から先行申し込みを受け付け、4月8日に正式サービスを始める。加入者の300万人を対象に、1年目は無償で通信サービスを提供する。
データ通信が無制限になるのは、楽天の自社回線エリアのみ。通信可能エリアを補助するためのKDDIローミングエリアでは、データ通信の上限が2GBまでとなる。上限を超えると通信速度が128kbpsまで低下するという。通話の無制限は、楽天の専用アプリ「楽天Link」経由での国内通話が対象。
楽天モバイルは、自社開発した「Rakuten Mini」の他、OPPOやHuawei、シャープ、富士通などのスマートフォンをSIMロックフリーで提供する予定。契約解除料や最低利用期間などは設けない。固定回線に接続して室内の電波状況を改善するアンテナ(フェムトセル)「Rakuten Casa」も3月下旬に提供する。
楽天のMNOサービスでは2019年10月の試験提供スタート当初、利用者から「回線を開通できない」という報告が相次いだ他、12月の通信障害時には、契約回線の約2割で正常な利用ができない状態に陥るなどトラブルが続いている。総務省から行政指導を受けた後も、20年2月に小規模な障害を起こしており、正式サービス開始後に安定した通信環境を提供できるか注目が集まっている。
NTTドコモ、ソフトバンク、KDDIの大容量通信プランはいずれも月額7000円程度で提供されており、通信事業者各社の価格競争激化が見込まれる。
KDDIと沖縄セルラーは既に対抗策を打ち出している。楽天参入や春の5Gサービス開始を見据え、データ容量無制限の4G通信プランを1500円値下げ。各種割引を適用して月額約4500円で提供するなど先手を打った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR