東京都が開設した「東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト」をフォーク(分岐)し、派生サイトを開発する取り組みが全国に広がっている。3月9日には民間の有志が北海道版「JUST道IT」をリリースし、13日には三重県の高専生が県内版サイトを開設。23日時点で、派生サイトは30を超えた。
派生元である東京都のサイトは、都と非営利団体Code for Japanが開発。都内の検査実施状況や陽性患者数、相談件数などを、グラフを使って表示している。
同サイトは、ソースコードをGitHubで公開し、誰でも修正提案を行えるオープンソースの取り組みとして話題を呼んでいる。一般のエンジニアがイシューにコメントをしたり、プルリクエストしたりできるのが特徴だ。Code for Japanによると、これまでに100人以上の技術者やデザイナー、研究者から修正の提案を受け付けたという。
都が公開したこのサイトを基に、全国の有志が派生版サイトの立ち上げに着手している。自治体担当者の他、地元の民間企業や学生、地域のITコミュニティーなどが協力し、開発着手からサイト開設まで数日間で行っている。
北海道では9日、民間の有志が「JUST道IT」を開設した。JUST道ITの運営元は、Twitterで「東京都が出してくれた、『新型コロナウイルス感染症対策サイト』を北海道でも使おう! と有志が立ち上がり、ものすごいスピード感で開発が進んだ」と説明している。
公開後もサイトの改善が進み、北海道と札幌市も開発に協力。当初はHTMLのスクレイピングでデータを取得していたが、12日以降、直接オープンデータを取得して情報を更新できる仕組みを整えた。多言語化も進み、19日に英語、22日には簡体字・繁体字・ハングルに対応したという。
三重県では、県内の高専生の有志4人が派生サイト「三重県 COVID19情報」を立ち上げた。開発者のTwitterによると、起案から1日でローンチできたという。
この他、群馬、岡山、香川、高知でも有志の学生がサイトを開設。福井版は地元のケーブルテレビ局が作成に携わるなど、取り組みが広がっている。
こうした広がりを、企業が支援する動きも出てきている。さくらインターネットは23日、新型コロナウイルス感染症の情報をまとめたWebサイト向けに、サーバを無償提供すると発表した。既にJUST道IT向けにサーバを提供している他、愛知や岡山など10の自治体のサイト向けにも提供の準備を進めているという。
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