日本酒や焼酎などを製造する菊水酒造(高知県安芸市)は、アルコール度数77度の高濃度スピリッツ「アルコール77」の出荷を4月10日に始める。価格は1本1200円(税別)で、9日夜に販売サイトの情報を公表する。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の広がりで消毒用アルコールの品薄が続く中、消毒用アルコールと同じ度数のお酒を開発した。通常、企業が消毒用アルコールを造ろうとすれば薬事法で定める医薬品等の製造許可の取得に時間がかかってしまうが、酒造会社がお酒を作って売ることに問題はない。
同社の発表文には「消毒や除菌を目的に製造されたものではありません」と記載しているが、中身は醸造アルコール(エタノール)、香料(レモン)、水のみ。例えば消毒したいものに“誤って”この製品を吹きかけたり、手指の洗浄に使ったりした場合でも、お酒の臭いが残ったりはしない。製造に当たっては「厚生労働省、県庁、経済産業局、国税局、消防等の関係省庁に確認し、ていねいな指導を受けた」という。
菊水酒造の春田和城社長は、「2018年の7月豪雨により甚大な被害を受けましたが、各方面から多大なご支援をいただきました。当社の有する製造設備等を活用して、皆様のお役に立てる製品を提供することで、恩返しにつながればと考えたものです」と話している。
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