──システムが使えるようになっても、オンライン授業を受けるのに十分なネット環境がない生徒もいると聞きました。
農工・三島先生 学生が契約しているデータ通信量の制限が厳しいです。大学に来れば無線LANが使えますが、家で授業を受けるとなるとどうしても課題になります。
オンライン授業のためのシステム作りには悩みました。学生の通信量の負担を考え、ビデオ会議による授業は、なるべく減らしています。
授業中、先生が話していない時間もビデオ会議をつなげているとずっとデータを消費してしまう。授業をあらかじめ録画し、映像を約15分ごとにカットして、話している部分だけ配信するようにすれば通信量を抑えられます。
長崎・丹羽先生 うちでは、緊急調査の結果、PCやネット環境が家にない学生が4人いたので、特例として、授業の時間だけ大学に来てPCを学内LANにつなげるようにしています。
──大学には、学生に向けて講義の情報や教材を配信したり成績を通知したりするシステム「LMS」(Learning Management System)があります。最近、Twitter上ではLMSが落ちたという声が頻発していますね。各大学のLMSサービス名がトレンドに載ることもありました。
長崎・丹羽先生 講義の動画は、クラウド上に置いて、LMSにリンクを貼り付ける運用を標準にしていますが、LMSのサーバ上に直接置いてしまう先生も多い。すると学内のオンプレミスサーバがパンクするので、増設しています。
農工・三島先生 うちはLMSにコストがかけられず、アクセスが集中するのは不安でした。今はクラウドの活用が進んでいて、オンプレミスサーバにアクセスが集中しなくなり、サービスダウンの心配は減っています。
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