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今後の在宅勤務、「増やしたい派」「減らしたい派」が4割弱で拮抗 「集中できない」などの悩みも

» 2020年05月27日 19時05分 公開
[吉川大貴ITmedia]

 「既に在宅勤務をしている人のうち、将来的に在宅勤務を増やしたい人と減らしたい人の数がほぼ拮抗している」──ソフトウェアベンダーのクアルトリクスは、5月27日の記者発表会でこんな調査結果を明かした。新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、在宅勤務を導入する企業が増えつつあるが、全ての社員が恩恵を享受しているとは言えないようだ。

photo 将来的に在宅勤務を増やしたい人の数と減らしたい人の数はほぼ同数

 同社によると、今後の在宅勤務の頻度を「増やしたい」「やや増やしたい」と答えた人は計約35%。対して「減らしたい」「やや減らしたい」と答えた人は計約37%で、両者はほぼ同数だった。

photo 在宅勤務の頻度を増やしたい理由

 このうち「増やしたい」「やや増やしたい」と答えた人の自由記述欄を分析したところ、「通勤」(17.8%)、「時間」(13.1%)、「効率」(4%)といったワードが抽出され、通勤時間の削減や効率性の向上を重視している人が多いことが分かった。

 一方、在宅勤務に取り組む中で理想と現実のギャップを実感し、悩む人もいるという。

 クアルトリクスの市川幹人さん(EXソリューションストラテジーディレクター)は発表会で、在宅勤務の経験者から「家庭との生活が区分されず、集中できない」「物理的なスペースを確保できない」「上司や同僚との連携が弱くなる」といった意見が出ていると紹介した。

photo 在宅勤務と実際のギャップ例

業種ごとの在宅勤務状況も明らかに

 同社はこの他、業種別の在宅勤務の実施状況についても調査した。その結果、勤務先が全社的な在宅勤務に移行している人が最も多い業種は、医薬品・健康食品メーカー(54%)。次いでソフトウェア・情報処理・情報サービス業(45%)、家電製品メーカー(43%)と続いた。

photo 業種別の在宅勤務実施状況

 ただし、首位の医薬品・健康食品メーカーに関しては、調査結果に自宅待機者が含まれる可能性があるという。

 最も少ない業種は医療(薬剤師含む、2%)、地方公務員(3%)、福祉業と運輸業(ともに4%)など、患者や顧客との対話が不可欠な業種が入った。

 部分的な導入も含めると、在宅勤務者が最多だった業種はソフトウェア・情報処理・情報サービス業(計76%)と国家公務員(同)。少なかった業種は医療(薬剤師含む、計13%)、福祉業(計21%)、飲食店・宿泊業(計24%)などだった。

 調査は東京、神奈川、大阪など7都府県に住む20〜59歳の会社員や公務員に対し、調査会社のインテージと共同で実施。5月12日〜5月15日に8661人から有効回答を得た。

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