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「手間がめちゃくちゃ減った」 郵送とオンラインのハイブリッド給付金申請、非エンジニアの市職員が開発 経緯を聞いた(1/2 ページ)

» 2020年06月01日 17時40分 公開
[谷井将人ITmedia]

 政府が国民に一律10万円を支給する「特別定額給付金」を巡り、兵庫県加古川市が開発した「郵送ハイブリッド方式」がTwitterなどで話題だ。マイナンバーカードを持っていなくてもオンラインで申請でき、郵送方式より素早く給付金を支給できるという。受付開始から5日で申請が1万件に上り、9000件は既に支給準備が整っている。

 開発した市の担当者はエンジニアとしての職務経験などはなかったが「特に難しいことはせずに作った」という。経緯を聞いた。

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郵送、オンライン方式の課題

 特別定額給付金は郵送方式とオンライン方式で自治体が申請を受け付けている。郵送方式の場合は手作業による事務処理が自治体職員の負担になり、支給までに時間がかかってしまう課題がある。

 オンライン申請の場合も、普及率の低いマイナンバーカードや対応スマートフォンなどが必要で入力ミスも起きやすい。結局、職員の手で確認作業が必要となるのが実情だ。

 加古川市は給付金の迅速な支給を行うため、郵送方式とオンライン方式の他に、それらを組み合わせたハイブリッド方式を考案。5月27日から運用を始めた。ハイブリッド方式は、給付金の案内用紙を各世帯に郵送し、申請はオンラインで受け付ける。

 市民は案内用紙とスマホがあれば申請できる仕組み。申請の受け付けページで、市が各世帯に郵送した案内用紙記載の照会番号、世帯主の情報、振込先口座の情報を記入。身分証明書や通帳の写真をスマホで撮影してアップロードすれば申請が完了する。

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