Twitterに虚偽の内容が投稿され名誉を傷つけられたとして、書き込みをした人物に対し、女優の春名風花さんと母親が慰謝料などを求めていた訴訟で、被告が春名さん側に示談金315万4000円を支払うことで示談が成立したことが明らかになった。春名さんが7月20日、自身のTwitter公式アカウントとYouTube公式チャンネルで発表した。
春名さんは「【ご報告】裁判の結果」という動画をYouTubeに投稿し、示談となった経緯と現在の心境を説明した。
春名さん側が問題としたのが、「彼女の両親自体が失敗作」「名誉男性」などと書かれたTwitterの投稿。2018年10月以降、Twitterや通信事業者に対して民事訴訟による投稿者の個人情報開示を求め、20年1月には投稿者を神奈川県警に刑事告訴した。法的措置に踏み切った経緯について春名さんは「社会的にきちんと罪を償ってほしいという思いだった」と説明している。
最近になって投稿者の代理人弁護士を通じて、示談金による刑事告訴の取り下げを求める連絡があったという。ただし春名さんは「刑事、民事の両方で勝訴し、今後のためにも判例を作った方が良い」と思い、当初は示談を拒否。その後、「色んな方から現在の法律では軽微な罰で終わってしまうと聞いた」として、示談に応じることにしたという。
現行法の刑罰では、名誉棄損(きそん)罪が3年以下の懲役、もしくは罰金50万円以下、侮辱罪が1日以上30日未満の勾留となる。これについて春名さんは「現行法ではやったことに対する処罰が甘すぎる」と正直な思いを吐露。示談に応じることについては「生活する上で誰にとっても必要なお金という目に見えるものを失うことでしか、あなたのしたことが悪いことですと(投稿者へ)教えられる手段がない、という悲しい現実を知った」と明かしている。
SNSの投稿について春名さんは「表現の自由、言論の自由を守りたいと思っているし、色んな意見があってこそ人間は面白い。建設的な批判や議論は全然あっていいと思う」と自身の考えを説明。
ただし誹謗中傷は論外とし、「相手の人格や生活を破壊するだけの暴力や批判の度を超えた単なる嫌がらせは誰も幸せにしない。今は気持ちよく書いてストレス発散できるかもしれないが、そういう悪意は相手だけでなく自分にもダメージを与える」と呼び掛けた。
同じようにネットの誹謗中傷に悩む人に対しては、「嫌なことをされたら嫌だって言って良いし、1人で悩まずに色んな人の力を借りて」とメッセージを送り、「どうか皆も勇気を出して立ち上がってほしい」と動画を締めくくった。
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