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» 2020年08月04日 19時01分 公開

伝説の“珍アニメ”を未来に伝えるクラウドファンディング始まる 「チャージマン研!」アーカイブ化計画

一部で高い人気を誇る1974年放送のテレビアニメ「チャージマン研!」をフィルムの劣化から救いたい。制作会社がクラウドファンディングを開始した。

[ITmedia]

 ICHI(旧社名:ナック)は8月3日、1974年放送のテレビアニメ「チャージマン研!」をアーカイブ化する資金を調達するため、クラウドファンディングサイト「READY FOR」にプロジェクトを立ち上げた。目標金額600万円に対し、翌4日には半分の300万円が集まった。

 チャージマン研!は、ICHIの前身であるナックが制作した1話完結のショートアニメ。科学が飛躍的に発達した未来都市を舞台に、地球侵略を目論むジュラル星人に主人公の泉研がチャージマンとなって立ち向かう。1974年の4月から6月までに全65話を放送した。

テレビアニメ「チャージマン研!」

 ただし、極端な低予算と厳しい制作スケジュールがたたり、シュール過ぎる設定や粗削りな演出などツッコミどころの多い作品に。「短編アニメなのに尺が余ってしまう、唐突な展開が起きてしまう……」(ナック)。それが2000年頃からネット上で話題になり、テレビ番組に取り上げられると人気が再燃。放送から46年を経て公式サイトやオリジナルグッズが作られ、舞台になるなど珍現象が起きている。

 しかし、46年という時間はフィルム原版にダメージを与えていた。ナックによると、放送に使用した16mmフィルムは「猛烈に酸っぱい臭いを発し、表面がベトベトして変形している」という。ベース素材にセルローストリアセテート(TAC)を使っていた古いフィルムを長期保管したときに起こる「ビネガー・シンドローム」という現象で、いずれフィルムの溶融や癒着を引き起こして再生できなくなってしまう。フィルムを保管している寺田倉庫によると「待ったなしの状況」という。

 ナックは寺田倉庫の協力を得てフィルムをデジタル化するアーカイブプロジェクトを立ち上げたが、65話分のフィルムを1コマずつ補修し、デジタルスキャンを行うには多くの資金が必要。その資金調達を目的としてクラウドファンディングのプロジェクトを立ち上げた。

劣化が進んでいたフィルム原版

 支援コースは3000円から30万円まで。1万円以上のコースには修復後のオンライン鑑賞会参加権を付けた。支援者の募集は9月25日午後11時まで。

 ICHIの吉野百子代表は「チャージマン研!は、個性豊かなスタッフが集い、エネルギッシュに制作していた時代の作品。クラウドファンディングによって誕生したHD映像で、制作当時の“ナッククオリティ”を沢山の方々に楽しんで頂けたら」と話している。

 アーカイブ化が実現すれば、デジタルスキャンで2K(フルハイビジョン)作品として生まれ変わるチャージマン研!。鮮明な映像で新たなツッコミどころが見つかるかもしれない。

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