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「防御とは現金である」 ソフトバンクグループ、資産の資金化を95%完了 ファンドは一気に黒字化(2/3 ページ)

» 2020年08月11日 21時05分 公開
[谷井将人ITmedia]

資金化は95%完了 現金を用意してコロナ禍で防御固める

 SBGは3月、負債削減などを目的に自社保有資産の最大4兆5000億円分を売却もしくは資金化する「自己株式取得と負債削減のための4.5兆円のプログラム」を掲げている。

 孫社長によると、米通信会社T-Mobileの売却やソフトバンク株の一部売却、Alibaba株の現金化で8月3日までに4兆3000億円相当の資産を資金化できたという。1年以内に4兆5000億円を資金化する目標についても「予定を大きく上回る資金化ができるめどが立った」(孫社長)としている。

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 同社は最大2兆5000億円の自社株買いも行っている。既に1兆円の自社株買いは実行した。残りの1兆5000億円分も「必ずやる」(孫社長)と意欲を示したが、完了時期については「何月何日に完了というふうにあらかじめ決めず、近い将来必ず実行する」と言葉を濁した。

 「完了時期には柔軟性を持たせておいた方が、株主の皆さんとソフトバンクの守りのためにも良いのではないか」(孫社長)

 孫社長は会見で「平常時はやんちゃに投資しているが、リーマンショックのときも今回も、世の中が危機的な状況にあるときは積極的に守りに徹する」と資産運用の考え方を示した。

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