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“GAFA”じゃなくて、もっとカッコいい呼び方ないの? Google、Apple、Facebook、Amazonひっくるめて何と呼ぶか問題IT基礎英語

» 2020年08月18日 10時37分 公開
[鈴木聖子ITmedia]

 独占的なサービスを通じて世界中で膨大な量の個人情報を握るようになったGoogle、Apple、Facebook、Amazon。この4社をひっくるめて何と呼ぶのか。日本のメディアは4社の頭文字を並べた「GAFA」をよく使うけれど、実はこの言葉、英語のメディアではほとんど見かけない。

GAFA

 例えばこの4社のCEOが7月に米議会の公聴会にオンライン経由で出席し、独禁法違反疑惑を追及されたというニュース。「Big Tech CEOs questioned over antitrust concerns」というUSA TODAYの記事は、こんな風に伝えていた

The big four tech CEOs whose companies dominate our daily lives came to Washington via teleconference Tuesday to testify before a House Judiciary subcommittee on antitrust concerns.

私たちの日常生活を支配しているビッグフォーのテックCEOがテレビ会議経由でワシントンに来て、下院司法小委員会で反トラスト法の懸念について証言した。

 「tech」は言うまでもなく「technology」の短縮語。日本のマスコミは主に「ハイテク企業」「IT企業」などの言葉を使うけれど、英語のニュースは単純に、techで済ませる記事が圧倒的に多い。

 「the Big Four」とも呼ばれる大手4社についてはほかにも、「Big Tech(テック大手)」「The most powerful figures in tech(テック業界で最もパワフルな存在)」「tech titans/tech giants(テックの巨人)」「the world's biggest tech companies(世界最大のテック企業)」などの表現が使われていた。

 こうした企業はSNSなどのサービス基盤(platform)を提供しているという意味で、日本語で「プラットフォーマー」と呼ばれることもある。けれど英語の「platformer」といえば、platform gameというマリオのようなゲームのジャンルを意味するとのこと(Googleの画像検索で「プラットフォーマー」と「platformer」をそれぞれ検索すると、違いが一目瞭然で面白い)。

 ではGAFAも和製英語なのか。

 と思ったら、使い始めたのはフランスのメディアらしい。

 「In France, there's a new word: GAFA(フランスにはGAFAという新語が存在する)」と伝えているのは、2014年12月の米メディアQuartzの記事。それによると、GAFAは当時のフランス語の新聞やブログ、テレビ番組の中で使われていて、有力紙ルモンドにこの言葉が初めて登場したのは2012年12月だった。

photo GAFAという新語の登場を伝える記事

 ただしGAFAはそれほど頻繁に登場する言葉ではなく、もっぱら税金逃れや個人情報流出、市場独占といった批判的な話題に関連して使われているという。

 独禁法違反と聞いて思い出すのは、1990年代に米司法省がMicrosoftを提訴した反トラスト法訴訟。分割を免れて超大手であり続けるMicrosoftがGAFAに入っていないのは不思議な気もするけれど、膨大な個人情報の扱いや、現在の独占状態をめぐる批判の矛先がGAFAに向いていることを考えると納得もいく。

 一応、GAFAにMicrosoftをくっつけて「GAFAM」という言い方もあるらしいけれど、実際に使われている記事はほとんど目にしたことがない。

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