このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
米ミシガン大学の研究チームが開発した「texSketch」は、電子書籍の読書中に重要な箇所をマーカーで選び、それらを線でつなげてグラフィカルに整理できるダイヤグラムシステムだ。
本を読みながらその内容をダイヤグラムに落とし込んでいくことは、内容を効率的に理解する助けとなる。視覚的に俯瞰し、関係性や考えを整理できるからだ。
texSketchは、読書中のダイヤグラム作成をサポートする。重要な箇所にマーカーを引いて注釈を付けるような機能ではなく、テキストの追加、ブロックの移動、構造レイアウトの調整など、抜き出した要素のつながりを再構築していく整理ツールだ。
ユーザーインタフェースは、タブレット端末を横向きにした状態で左がテキストビュー、右がダイヤグラムビューの2つの領域に分かれた構造を採用している。
気になる文章に黄色のマーカーを引くと、その文章内で重要な因果関係のある用語に破線のアンダーラインが自動で追加され、用語を抽出する際のヒントとなる。
さらに、ダイヤグラムビューに抽出するフレーズを赤いアンダーラインを引いて決定する。抽出するフレーズが決まると、ダイヤグラム要素にノードとして変換される。テキストビュー上で決定したフレーズを線でつなげていくと、ダイヤグラムビュー内で自動的に結合される。ダイヤグラムビュー内でフレーズを手動でつなげていくことも可能だ。
ノードを用いて関係性を整理できるだけでなく、選択したテキストから絵を自動生成し、グラフィカルなメモも取れる。これらのテキストや絵を組み合わせて、より直感的なダイヤグラムに最適化できる。
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