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» 2020年09月08日 16時14分 公開

世界初のDTM製品「ミュージくん」、未来技術遺産に

DTMという言葉を最初に使った製品はこれだって知ってました?

[松尾公也,ITmedia]

 ローランドは9月8日、同社のDTM製品「ミュージくん」が、国立科学博物館の2020年度「重要科学技術史資料」(愛称:未来技術遺産)に登録されたと発表した。

 ミュージくんはローランドが1988年に発売したPC-9801用DTMパッケージで、ドラム、キーボード、ベースなど複数のMIDI音源を同時に鳴らせるMT-32と、PC-9801用MIDIインタフェース、そしてマウスで操作するMIDIシーケンサーソフトウェアをバンドルしたもの。デスクトップ・ミュージック(DTM)という名称を初めて使用し、今日までその用語が一貫して使われているという点でも意義深い製品だ。この後、ミュージくんは「ミュージ郎」と名を変えてDTMを普及させる息の長いシリーズとなった。

photo ミュージくんにはPC-9801の拡張スロットを使うMIDIインタフェース、LA音源MT-32、ダイナウェアが開発したMIDIシーケンサーが同梱されていた
photo ミュージくんを動作させているPC-9801VX

 選定理由は次の通り。

作曲という行為は楽器を演奏できることや、音楽知識が必要とされてきたが、デジタル技術の進歩とMIDIという楽曲データ伝送方式の標準化の実現によって、パーソナルコンピュータ(PC)で作曲・演奏できる環境が実現された。本機は今ではPCによる音楽制作用語となったDTMを実現するパッケージ商品の市販一号機である。PCで音楽を作る ために必要なハード、ソフトが一式セット(PC本体は除く)されたバンドリング・パッケージであり、作曲したくても楽器を演奏できない人たちな ど多くのホビー層に、PCの画面上でグラフィカルに作曲や編曲など音楽制作することを普及させた。プロの音楽家からアマチュアまで、現在では常識であるデジタル手法による音楽作りの世界を広げた製品として重要である。

 ローランドの製品としては、リズムマシン「TR-808」(通称:ヤオヤ)が2019年度の未来技術遺産に選定されている。

 2020年度未来技術遺産の電子音楽関係では、ドラムマシンの元祖といわれるコルグの「ドンカマ」こと「ドンカマチック DA-20」(1963年)、「MIDI 1.0 規格書」(1984年)、カシオの「カシオトーン 201」(1980年)が登録されている。

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