NECは9月24日、マスクを着けている人を高精度で認証する新しい顔認証エンジンを開発したと発表した。人の目の周りから特徴点を抽出し、元データと照合して本人確認を行う仕組み。NECの社内評価では、1対1認証(個人の生体情報を呼び出した上で、本人と比較する方式)での認証率が99.9%以上だったという。新しいエンジンに対応したデバイスやサービスも10〜11月にリリースする予定。
従来のエンジンもマスクを着けている人の顔認証に対応していたが、目・鼻・口から特徴点を抽出していた。新しいエンジンは、目に重点を置いて特徴点を抽出する仕組みにし、認証の精度を高めた。マスクに色や柄があっても問題ないという。
マスク着用の有無に応じて分析アルゴリズムを切り替える機能も持つ。具体的には、連携するカメラが人の顔を検出すると、まずマスク着用の有無を判定。マスクを着けている場合は目の周り、そうでない場合は鼻や口などから特徴点を抽出する。
新しいエンジンに対応する製品は、顔認証の処理を高速化するエッジコンピューティングデバイス「NEC AI Accelerator」(10月上旬に提供予定)、顔認証と他の生体認証を併用するマルチモーダル生体認証サービス「Bio-IDiom Services」(同)、顔認証と混雑度検知などを組み合わせた映像分析ソフトウェア基盤「NEC 映像分析基盤」(11月上旬に提供予定)――の3種類。
NECはこれらの製品を、企業、教育機関、公共施設、イベント会場などに提供し、コロナ禍における活動を支援するとしている。提供に先駆け、9月末からNEC本社ビル(東京都港区)の入場ゲートで、新しいエンジンを使った入退場管理の実証実験も行う予定だ。
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