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広島の学校へPC納入で談合か 公取委がNTT西日本などに立ち入り検査

» 2020年10月15日 17時15分 公開
[樋口隆充ITmedia]

 広島県や広島市内の学校現場で使用するPCや関連機器の納入を巡って談合が繰り返されていた可能性が高まったとして、公正取引委員会(公取委)は独占禁止法違反の容疑で、10月14日までにNTT西日本や大塚商会など14の事業者に対し立ち入り検査を行った。

 立ち入り検査を受けたのはNTT西日本や大塚商会、富士通リースなどの広島支店に加え、ソルコムや新星工業社など広島県内の14事業者。

 談合の疑いがあるのは、広島県や広島市の公立学校で使用するPCやタブレット端末、サーバの納入を巡る入札。入札を行う際や複数社から見積もりを取る際に、事前に受注業者を決めるなど談合を繰り返した疑いが持たれている。

 関係者によると、受注調整は遅くとも2013年ごろから続いていたとされ、「内部からのリークも含め、各方面から情報が集まった」という。事業者間のみの談合とされ、現時点で官製談合の可能性は低いとみられる。

 公取委は今後、実態調査を行い、談合が確認されれば、課徴金納付命令や入札への排除措置命令などの行政処分を行う方針。

 学校現場のPC納入を巡る談合は、2002年に起きた大阪市教育委員会の学校事務センターでの事件以来、約18年ぶりとみられる。

 NTT西日本は事実関係を認め、「立ち入り検査を受けるという事実を厳粛に受け止め、検査に全面的に協力する」とし、公取委の検査に協力する姿勢を示した。15日までに大塚商会や富士通リース、地元企業のソルコムも同様の声明を発表した。

photo NTT西日本のプレスリリース

 発注元の一つである広島県教育委員会は「第一報は報道で知った。現在、関係部署を通じて、契約状況などを確認中」とした上で、「県立高校の教員向けの端末で取引があった可能性がある」と明らかにした。

 文部科学省は全国の小中学校に通う児童・生徒に対し、学習用PCの1人1台の配布や通信環境を整備する「GIGAスクール構想」を推進しており、2020年度末までの完了を目指している。

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