データ管理などを手掛けるAOSデータ(東京都港区)は11月4日、AIを活用し、スマートフォンやタブレット端末から音声入力で遺言を作成できるアプリ「Husime.com」(iOS/Android、無料)の提供を始めた。入力したデータはブロックチェーンで管理する。
アプリの起動後、ユーザーが遺言の内容を話すと、AIの音声認識によってテキストへ変換。音声入力の他、質問事項に沿って遺言を作成することもできる。入力データはブロックチェーンで管理されるため、「遺言の改ざんや毀損(きそん)、紛失などのリスクがなく、情報や思いを保管できる」(同社)としている。
AOSデータによると「紙の遺言は手続きが複雑で面倒」「大した資産がないから、遺言はしなくても大丈夫」という理由から、日本国内では9割の人が遺言を残さないまま亡くなっているという。2019年に施行された改正相続法では遺言書の一部をPCで作成することを認めているものの、大半は自筆が原則となっている。アプリで作成した遺言自体は法的な効力を持たないが、同社は「アプリで手軽に遺言について考えてもらうことで、自身の保有資産や意思を見つめ直し、整理していただきたい」としている。
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