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» 2020年11月26日 20時02分 公開

自動運転バスが日立市で専用道走行、誰でも乗車可 道路側センサーと協調して死角なくす

[笹田仁,ITmedia]

 日立市や茨城県、茨城交通、KDDIなどは11月26日、茨城県日立市で自動運転バスの実証走行を開始すると発表した。期間は2020年11月30日から2021年3月5日まで(12月28日から1月3日は運休)。約6kmの専用路線を走る通常バスの運行ダイヤに、自動運転バスを組み入れる。

photo 今回の実証走行のルート(左)と大まかな運行ダイヤ(右)

 実証走行の場は、日立市を走る「ひたちBRT」(Bus Rapid Transit:バス専用路)。廃線となった日立電鉄線の路線跡地を転用したものだ。18年10月にも、ひたちBRTを使用して自動運転バスの実証走行を実施しているが、そのときは「おさかなセンター」から「JR大甕」(おおみか)駅までの3.2kmの往復区間で実施した。その後、19年3月にひたちBRTの第二期延伸工事が完了しており、今回は「おさかなセンター」から「JR常陸多賀駅」を結ぶ6kmの区間で実証走行を実施する。加えて、おさかなセンターから先の3kmほどの一般道を回送区間として利用する。

photo ひたちBRT

 今回の実証走行では、同じ区間を走る一般路線バスに混じって自動運転バスも定時運行させる。特別な移動手段ではなく、一般的な移動手段として多くの人に利用してもらうことで、2022年以降に予定している本格的な商用運行に向けた課題を探るという。

 一般利用者も乗車できるが、乗車には事前の予約が必要になる。予約は専用Webサイト、電話、窓口で受け付ける。ただし予約がなくても、乗車時にバス車内の添乗員に空きの有無を確認し、空席があれば乗車できる。

 本格商用運行に向けて、「自動運転車両と協調する路側センサー」と「遠隔監視装置」を導入して、設備の検証も進める。自動運転車両と協調する路側センサーは、自動運転車両から見通しの悪い場所に設置。各種光学センサーや電波センサーを搭載しており、自動運転車両と通信して、自動運転車両の死角を減らすという。

 さらに路側センサーと信号協調システムを連携させ、安全に走行できる環境の維持とスムーズな定時走行を目指すとしている。路側センサーの設置は、住友電工、パイオニアスマートセンシングイノベーションズ、小糸製作所、コイト電工が主体となって設置する。

 遠隔監視装置は、自動運転バスの運行状況を遠隔地から監視可能にする。加えて、信号協調システムや、路側センサーと連携する役目も担っている。今回は、路側センサーの稼働状態も遠隔地から監視して、自動運転バスの商用運行に向けて、運行管理上の課題を探す。遠隔地と遠隔監視装置の間の通信環境はKDDIとKDDI総合研究所が提供する。

 ひたち圏域(高萩市、日立市、東海村、ひたちなか市)が連携して実施する「ひたち圏域MaaS」とも連携し、MaaSのスマートフォンアプリからのバスチケット購入や、地域のタクシーとの連携などについても検証する。

 今回の実証走行に参加するみちのりホールディングスは、実証開始までの準備状況を伝える専用Webサイトを開設。このサイトから、乗車予約も受け付けている。

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