このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
米カリフォルニア大学バークレー校と米Adobe Researchの研究チームが開発した「Swapping Autoencoder for Deep Image Manipulation」は、高解像度の写真のスタイルやテクスチャなどをリアルタイムかつ直感的に編集できる、深層学習を用いた実験的な画像編集ツールだ。
このツールを用いれば、元画像の構造を残しつつ別画像のスタイルを混ぜ合わせた合成画像の生成や、陰影の変更、露出時間の変更の他、空を夕焼けにしたり雪を積もらせたりするといった天候や季節の変更も行える。
画像を取り込むと、ユーザーはサンプルから好みのスタイルやテクスチャを選択し変換できる。それぞれスタイルの適応度合いを調整可能だ。
ブラシを使い、部分的に構造の編集もできる。例えば、画像内の一部分の素材を抽出し、別の場所にその素材を増殖させることで、山や川を増やせる。適当にストロークしても周囲と調和した仕上がりにできる。
出力画像を複数のデータセットで検証した結果、既存の類似手法と比較して定性的・定量的に優位性を実証したという。
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