このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
米Nianticと英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究チームが開発した「Footprints and Free Space from a Single Color Image」は、1枚のRGB画像の中で、キャラクターが前景の後ろに回り込んで通過するなど、違和感のない移動を可能にする技術だ。
今回のモデルは、画像内で見えている平面だけでなく、前景の後方にある隠れた平面も計算する。画像から見える移動可能領域のセグメンテーションマスクだけではなく、深度データ、隠れた領域のセグメンテーションマスクや深度データの情報表現も活用する。単一のネットワークで構築するため、高速処理が可能という。
これらを学習用するため、データセット作成用のパイプラインも提案している。カメラポーズ、フレーム毎の深度、セマンティックセグメンテーションを用いて、ステレオ映像からトレーニングデータを形成する。
学習したモデルは、物体の背後にある実際の経路を含めたセグメンテーション画像を出力し、バーチャルキャラクターが回り込むように横断させることを可能にする。
評価の結果、類似手法よりも高い精度が得られたとしている。
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