新型コロナウイルスの影響もあって、2020年は多くの現場で初めてリモートワークが導入された年になりました。
みなさんの中にも、これまで必要を感じなかったテレビ会議用のWebカメラを急きょ導入したり、慣れないZoomの操作に戸惑ったりした人もいることと思います。
リモートワークならではの困難にぶつかった人も多いはずです。対面なら円滑に進む会話や連絡がぎごちなくなり、どうすればリモートでも成果を出し、それをアピールできるのかを悩んでいる人もいるでしょう。
そこで、ちょっとマニアックなWebサービスやガジェットを使ってリモートワークを快適にする「リモートワークのライフハック」について何回かに分けてご紹介したいと思います。
今回はリモートワークをしているとつきまとう「ずっと自宅から仕事をしているとサボっていると思われていないだろうか?」という不安を解消するWebサービスについてです。
リモートワークをするメリットは、コロナ禍の中でリスクの高い出勤や対面状況を避けつつ仕事を進められる点です。しかしそれがそのまま、リモートワークのデメリットにもつながっています。
オフィスにいればそれとなくチームの仕事ぶりは分かりますが、互いの姿がみえないと他の人はどうしているのだろうかと不安になります。それはそのまま、他の人からみて自分はどのように見えているのか? という疑心暗鬼にもつながるのです。
仕事の成果を次々と出して報告できるのならばいいですが、そこまですぐに結果がでない普段の作業については、どうすれば周囲を納得させることができるでしょうか?
そうしたとき、PCのまえでどのように時間を使っているのかをデータとして可視化できると便利です。PowerPointに1時間、メールアプリに1時間といったように、1日当たりの作業がデータとして残っていれば、進捗を聞かれたときにも困りません。
あいまいな表現で「今やっています」と説明するのではなく、「その件は昨日1時間半ほど進めました」と言えるだけでも、説得力が全く違うからです。
こうした情報の集計に利用できるのが、どのアプリを使用していたのか、どのWebサイトにアクセスしていたのかを記録できる時間トラッキングサービスです。
時間トラッキングサービスは複数存在しますが、可視化が高機能で、長年の実績があるのが「RescueTime」です。
RescueTimeは作業をしている端末に小さなクライアントアプリをインストールすることで、どのPCでどのアプリをどの程度使っていたのかを横断して集計することができます。また、Webサイトならば主にどこにアクセスしていたのかも全て可視化できます。極端な話、始業時から終業時に至るまで、どこで作業をしていたとしても、積算でどの程度Illustratorを使っていたのか、どのくらいの時間、Webブラウザを使用していたが1分単位で分かります。
もともとこの手のサービスは時間で課金するフリーランスの人がクライアントに作業進捗を報告するために使用するものでしたが、最近はリモートワークにおける作業の可視化にも利用されるようになりました。
こちらがRescueTimeの集計画面です。このように「今日は8時間33分端末に向かっていた」「40%はメールやカレンダーアプリを使用していた」「作業を9時に始め、18時まで継続していた」といった情報がすぐに分かります。
プライバシーが気になるかもしれませんが、RescueTimeは例えばPowerPointとPowerPointとOutlookといったアプリを「ビジネス用」、IllustratorとPhotoshopを「デザイン用」といったようにカテゴリーでまとめて、そのカテゴリーのアプリの使用時間を集計するといったこともできます。
逆に、本来はアクセスを減らしたい作業のじゃまになっているソーシャルメディアなどを「脱線時間」のアプリやサイトとして個別に集計し、1日にどれだけ仕事に集中できたか目標を立てて自己管理に利用することも可能です。
1日の中の時間の使い方だけではなく、1週間ほどの期間でカテゴリーごとの時間の使い方を集計することで、どのように作業に従事しているのかを見ることもできます。例えばこの図だと、何時ごろにビジネスアプリを利用し、何時頃に開発アプリを使用しているのかといった傾向が見えてきます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR