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Clubhouseなのに全員無言!? もくもくと作業する人をつなぐ使い方がリモートに最適リモートワーク時代のライフハック術(1/3 ページ)

» 2021年01月31日 23時30分 公開
[堀正岳ITmedia]

 音声でつながる招待制SNS、「Clubhouse」(クラブハウス)が日本でも大きな話題になっています。

 2020年3月にローンチしたClubhouseはツイッターやFacebookのようにユーザーがお互いフォローし合うソーシャルネットワークですが、文字や画像を投稿するのではなく、ユーザーは音声で会話をする「ルーム」を立ち上げて交流を楽しむ場になっています。

 ルームは登壇して喋っている「スピーカー」と、その様子を聴いている「オーディエンス」とに分かれていますが、簡単にオーディエンスを登壇者に変更することも、逆に登壇者が聞き手に回ることもできるため、友人同士の会話をお裾分けするようにも使えますし、仮想的なイベントを開催しているように利用することも可能です。

 Clubhouseが先に始まっていた米国では、定期的に開催される瞑想の会や、読んでいる本を紹介し合うブッククラブ、時事問題について論じ合う大規模なイベントといった活用が既に広がっていますが、爆発的にユーザーが増えている日本でも特徴的な新しい使い方が目立つようになってきました。

 そのうちの一つが、無言で作業している様子を共有する「もくもく作業」ルームです。

photo もくもく作業の部屋

音声SNSなのに全員無言!?

 Clubhouseは音声で会話をするのが目的なのに、こうした「もくもく作業」「作業中」と書かれているルームは、入ってみても誰も喋っていません。参加者の多くはマイクをミュートにしているか、マイクをオンにしている人からもキーボードを叩いている音が聴こえてくるだけです。

 たまに参加者の数名が軽く雑談を始めたり、小休憩のあいだ会話が盛り上がったりするものの、やがてルームはまた静かになり、キーボードの音や生活音だけになります。会話をするためのサービスなのに無言のままなのは無駄に見えますが、これが意外に生産性を高める効果があるのです。その理由はいくつかあります。

 まず、ルームに居る人は作業に集中していることが前提になっていますので、姿は見えなくても参加している人がお互いをまるで緩やかに監視しているような心理的な効果が生まれているのです。「みんなが集中して作業をしているなら自分も頑張ろう」と、気持ちが前向きになるわけです。たった一人で集中するのは難しくても、大勢の人が作業している空間の心地よい緊張感を利用して、自分の集中力を増幅しているといってもいいでしょう。

 また、時折軽い雑談が入ったり誰となく質問をする人がいるのも、まるでオフィスで仕事をしているような気持ちにさせてくれます。また、Zoomビデオ会議だと相手の姿が見えてしまうために相手に集中することになってしまいますが、Clubhouseだとこれがありません。

 Clubhouseの特徴である、ルームに気軽に参加し、気軽に抜けることができるという機能も、もくもくと作業をするのに向いています。食事や別の用事ができた人はすぐにルームを抜け、また集中したくなったら戻ってくればいいからです。

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