米Facebookは3月4日(現地時間)、傘下のInstagramにユーザーが公開設定で投稿した10億点の写真データでトレーニングした自己教師あり学習コンピュータビジョン「SEER」(SElf-supERvised)を発表した。ImageNetのオブジェクト認識テストで既存のAIモデルを上回ったとしている。このテストの分類精度スコアは84.2%だった。
AIモデルの多くは人間がラベル付けしたデータセットでトレーニングする必要があるが、SEERはランダムでラベルなし、キュレーションもされていないInsgaramの投稿画像を分析することで写真内のオブジェクトを識別する方法を学ぶ、自己教師あり学習でトレーニングされた。
Facebookは「SEERの性能は、自己教師あり学習がコンピュータビジョンタスクに向いていることを示す」としている。SEERは研究プロジェクトだが、潜在的な用途は幅広いと同社は言う。例えば、目の不自由な人に画像を説明するテキストの自動生成や、オンラインマーケットプレイスに出品された商品の自動分類、プラットフォーム上の有害画像の検出などだ。
Instagramに公開設定で投稿された人やペット、自慢の車などのあらゆる写真が機械学習に利用されている。ユーザーはInstagramの利用規約でそれを許可している。
FacebookはSEERで採用した汎用ライブラリ「VISSL」をオープンソース化し、幅広いコミュニティが画像からの自己教師あり学習を試せるようにしたことも発表した。VISSLには広範なベンチマークスイートと60以上の事前トレーニング済みモデルも含まれる。
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