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» 2021年03月12日 18時10分 公開

日本郵政と楽天、資本業務提携で協業を全面強化 楽天に1500億円出資 多方面で相互サポート

日本郵政と日本郵便、楽天が資本業務提携を結び、あらゆる分野で広く協業を深めると発表した。日本郵政は楽天に1500億円を出資。物流の分野では、日本郵政グループの資源をベースに楽天とデジタル化を進め、新会社設立も視野に事業展開を進める。

[谷井将人,ITmedia]

 日本郵政と日本郵便、楽天は3月12日、資本業務提携を結び、物流とモバイル、DX(デジタルトランスフォーメーション)などの分野で、広く協業を深めると発表した。日本郵政は楽天に対し1500億円を出資する。特に物流の分野では、日本郵政グループが持つ郵便局や配送網といった資源をベースに楽天とデジタル化を進め、新会社設立も視野に事業展開を進める。

photo 楽天の三木谷浩史社長兼会長(写真左)と日本郵政の増田寛也社長(写真右)

 同日の共同発表会で日本郵政の増田寛也社長は「(今回の提携が)互いの関係をより強固にし、今後、幅広い領域での協業を進める原動力になる」と話した。

 郵便局などオフラインの資源を豊富に持つ日本郵政グループと、ECやモバイル事業などオンラインを強みとする楽天が、両社の強みを生かした協業を進める。具体的には、物流分野での共同事業、楽天モバイルの事業支援、日本郵政グループのDX推進の3点を強化する。

 物流分野では、物流DXを手掛ける新会社の設立も視野に入れた事業展開、共同の物流拠点や配送システムの構築、各社が持つデータの共有など幅広く協業する。消費者には欲しいときに欲しい商品を受け取れるサービスを提供し、事業者には発送時のコスト削減につながるような仕組みを作ることを目指す。

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 これらの実現に向け、ドローンや自動走行ロボットの研究開発、データを活用した作業の効率化、AIの活用などを共同で模索していく。

 モバイルの分野では、楽天モバイルのプロモーションを日本郵政グループがサポートする。両社はこれまでも郵便局の屋上に基地局を設置するなど協力してきた。今後は、郵便局内のスペースに楽天モバイルの回線契約などができるカウンターを開設、配達ネットワークを活用してオフラインでの宣伝活動を強化するなど、協力方法を探っていく。

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 DXの分野では、DXに精通する楽天の人材を転籍という形で日本郵政に派遣。日本郵政グループのDX推進を支援する。

 他にもキャッシュレス、保険、物販などさまざまな分野で協力していく予定という。これらの取り組みについて、増田社長は発表会で「具体的な内容はまだ具体的に発表できる段階にない。4月までに決定したものについては、さらに具体的な事を発表できれば」とした。発表会では、ゆうちょPayや楽天ペイのすみ分けについて質問があったが、増田社長は「金融については公表できるようになった場合には公表したい」とのみ説明した。

1500億円の出資

 増田社長は1500億円を楽天に出資することについて「2020年12月には物流分野での業務提携を発表したが、今後、物流以外でも協業を進めていく上で、深く資本提携をし、両社の信頼関係をより強固にしていきたいと考えた」と説明。金額などについては「日本郵政グループとしてはリスクとリターンを慎重に判断したうえで今回の結論に至った」としている。

 楽天の三木谷浩史社長兼会長は発表会で、記者に1500億円の使い道を聞かれ「ここから5年で世の中が根本的に変わると思っている。楽天は物流、AI、モバイルへの投資を行っている。それらの事業を通じて日本郵政グループにも恩返しできるのではないかと考えている」と話すにとどめた。

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