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» 2021年03月31日 11時40分 公開

長期化するライフライン停止で問題なのは“電気以外”だデジタル防災を始めよう(1/2 ページ)

電気は意外に早く復旧する。それ以外のライフラインをどうするかが課題だ。

[戸津弘貴,ITmedia]

 前回は番外編として、今すぐ備える防災アイテムを紹介したが、今回はその中でも特に、ライフライン確保に必要なものを重点的に取り上げる。

 大規模災害が起きると、停電や断水などが発生し、エネルギーや生活に必要なライフラインが停止してしまう。仮に首都直下型大地震が起きたとすると、ライフライン復旧の目標日数は、電気が6日、上水道が30日、ガスが55日とされている。比較的復旧が早い電気はともかく、上水道でおよそ1カ月、ガスは2カ月ほど使用できないことが想定される。

 飲料水はペットボトル、ウォーターサーバー、給水サービス、浄水器などさまざまな方法で確保できるが、意外と忘れがちなのが“生活用水”だ。

 各自治体では、飲料水1人当たり1日3リットルを3〜7日分に加えて、1日当たりおよそ3リットルの生活用水を自助の備蓄として確保するよう求めている。普段の生活では、3分間のシャワーで36リットル、入浴1回分で140〜200リットルもの水を使用しているという。災害時は節約するとしても全く使わないわけにはいかない。

 また、水道が止まった場合、電動ポンプが動かなくなったことが原因ならば停電が解除されれば復旧するが、水道管にダメージがある場合には修復が完了するまで断水が続くことになる。

デジタル防災に対応したエコキュート

 お湯を沸かすのに、ガスではなく、ヒートポンプの技術を利用して空気で熱する電気給湯器「エコキュート」は、戸建て住宅だけでなく、集合住宅の一部でもオール電化マンションを中心に導入されている。実はエコキュートは戸別に貯水タンクを内蔵しているので、万一の際には生活用水として活用できるのが魅力だ。

 エコキュートは、停電時には蛇口やシャワーから、断水時にはタンク内のお湯や水を生活用水として利用できる。さらにパナソニックの機種では、あらかじめ選択した警報・注意報が発令されると自動沸き上げでたっぷりのお湯を確保するスマートフォン連動機能なども備えており、非常時の貯水タンクとして期待できる。

 容量370リットルのモデルであれば、4人家族で自治体の推奨量の30日分、普段通りの使い方をしても(それなりに節約するとして)2〜4日分の生活用水がまかなえる計算だ。

photo エコキュート

 パナソニック以外でも、コロナやダイキン、タカラスタンダードなど各社が製造販売しているエコキュートは、いずれもタンク内の貯水は非常時には手動で取り出せる。

 貯湯ユニット内に水垢などの汚れがたまったり、配管の劣化などで水質が変わったりすることもあるので、飲用には適さない場合がある。飲用には水質基準に適合した水を使用する、配管内にたまっている水は雑用水で使う、飲用時には沸騰させてから使うなどの注意が必要だ。

身近なアイテムで燃料、水を節約する。

 水や食料、燃料の備蓄も大事だが、燃料や水を節約する方法を知っておくのも重要だ。ステンレスボトル(いわゆる魔法瓶)は、沸かしたお湯を熱いまま保存しておけるし、真空保温調理器は、短時間加熱した後の余熱を利用して保温調理するため、燃料を節約できる。

photo サーモスの2リットル容量ステンレスポット(TTB-2000)

 一人暮らしなら冬山登山用の保温力が高いモデルを使うのがベストだが、3、4人の家族なら大容量のポットの方が便利だ。電気ポットが普及してから使う家庭も少なくなったが、夏は冷たい麦茶、冬は暖かいお茶を入れておくなど普段使いもできる。

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