日本気象協会は4月1日、熱中症対策に有効な「暑熱順化」の進め方をまとめたWebサイトを公開した。暑熱順化が進むと発汗量や皮膚血流量が増加し、体から熱を逃がしやすくなるという。
暑熱順化は「体が暑さに慣れる」こと。運動や入浴を通じて無理のない範囲で汗をかく必要があるという。
目安はウォーキングなら1日30分を週5回、入浴は2日に1回は湯船に浸かることを推奨している。慣れるまでに「数日から2週間程度」かかるため、暑くなる前に準備するべきだという。
日本気象協会によると、2019年には5月下旬に東京と大阪で真夏日(最高気温30度以上)を観測。熱中症で搬送された人は前の週の4.3倍から5倍に及んだ(消防庁調べ)。
また2020年の8月は熱中症で救急搬送された人が前年の約1.2倍で、2008年の調査開始以来最多を記録した。7月に東日本や西日本を中心に気温の低い日が続き、またコロナ禍の外出自粛で体を暑さに慣れさせる機会が減ったためと考えられている。
マニュアルは日本気象協会が進める「熱中症ゼロへ」キャンペーンの一環として作成。ダウンロードして印刷できるように内容をまとめたPDFを作成し、Webサイトで公開している。監修は帝京大学医学部の三宅康史教授が担当した。
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