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ウレタンマスクの下に着ける立体マスク、三井化学などが開発 蒸れずに不織布の防御効果

» 2021年04月27日 12時19分 公開
[ITmedia]

 三井化学は4月26日、ウレタンマスクや布マスクの下に装着する“インナーマスク”「タートル」を発表した。不織布フィルターでウイルス除去効果を改善しながら好きな柄のマスクを使用できる。30日分の交換フィルターがセットで2750円(税込)。

ウレタンマスクや布マスクの下に装着する“インナーマスク”「タートル」
装着イメージ

 生分解性樹脂(PLA)で作った立体的なマスクに不織布フィルターを装着したマスク。皮膚と接触する面積が少ないため蒸れにくく、密閉率が高くメガネもくもりにくいという。本体は洗浄して再利用できる。

 不織布を生産する三井化学と名古屋大学大学院工学研究科の堀克敏教授(界面微生物工学)、名古屋大学発ベンチャーのフレンドマイクローブが共同開発した。3者は2020年8月に3Dプリンターを活用して樹脂製の立体マスク「シータ」を開発し、クラウドファンディングサイト「Makuake」で販売。今回のタートルはシータで得た知見を生かし、薄型化など装着感の向上を図った。フィルター式のため不織布は通常の不織布マスクに比べて使用量を10分の1に削減できるという。

 マネキンを使用する独自のマスク性能評価測定装置を用いて性能を評価したところ、バクテリオファージ(実験用ウイルス)の除去率はウレタンマスク単体が約24%、不織布マスクが約50%だったのに対し、タートルにウレタンマスクを重ねた状態では89%になった。「単独ではマスク性能が低いとされるウレタンマスクでも内側にタートルを装着することで、ウイルス除去効果が大幅に改善する」としている。

 製造はフレンドマイクローブが担当する。販売はフレンドマイグローブのECサイトの他、Amazon.co.jpやヤマダ電機の「ヤマダモール」でも取り扱う。

独自の性能評価実験結果

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