クライアント管理サービスを手掛けるKaseyaは7月2日の午後(米東部時間、米独立記念日の週末前の金曜)、同社のIT環境管理・自動化サービス「VSA」のオンプレミス版が「高度なサイバー攻撃の犠牲になった」と発表した。SaaSサーバも念の為オフラインにした(影響を受ける顧客は世界で約3万6000)。同社は約40の顧客が影響を受けたことを確認しており、保護のためすべての顧客にVSAを停止するよう呼び掛けた。
同社の情報更新ページには3日午後1時現在、「Kaseyaからの通知があるまでVSAをオフラインのままにしてください」とある。ランサムウェアの犠牲になった顧客に対しては、攻撃者からの通告をクリックしないよう呼び掛けている。この通告自体もマルウェアである可能性があるという。
この件で顧客をサポートし、Kaseyaとも協力しているセキュリティ企業のHuntress Labsは、このランサムウェア攻撃は5月にJBSを攻撃したのと同じ犯罪集団「REvil」が関わっている可能性が高いとしている。REvilはロシアを拠点としているとみられている。
技術情報サイトのBleeping Computerによると、この攻撃は6つのMSPを標的にし、それを使っている200社もの企業のデータが暗号化されたという。
英セキュリティ企業Sophosのディレクター、マーク・ローマン氏は「身代金は4万4999ドルだ」とツイートした。添えられた脅迫状では、身代金は仮想通貨の「Monero」で要求されている。
米司法省(DoJ)は6月、米石油移送パイプライン大手のColonial Pipelineがビットコインで支払ったランサムウェアの身代金の秘密鍵を米連邦捜査局(FBI)が持つことで、身代金の一部を差し押さえたと発表した。Moneroの仕組みではこうした対策はできない。
Kaseyaは米連邦捜査局(FBI)および米国土安全保障省のサイバーセキュリティ機関CISAと協力している。
【7月5日午前9時UPDATE】Kaseyaは4日午後5時30分の更新で、アジア太平洋地域のSaaSの再開予定を日本時間の5日午後5時〜6日午前9時と発表した。
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