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インタビュー
» 2021年07月05日 17時15分 公開

設定ミス→漏えいの影に潜む“クラウドへの誤解” いま理解したい「責任共有モデル」(2/2 ページ)

[高橋睦美,ITmedia]
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危機感から動き出す企業も

 とはいえ、いまだに知識の浅い企業ばかりがクラウドを利用しているわけではない。同社の調査によればクラウドサービスを導入する日本企業のうち、20〜30%はこういった前提を理解した上で活用を進めているという。

 「米Amazon Web Services(AWS)によると、同社の認定資格を取得している人数は、ベンダーよりもユーザー企業の方が多くなっているという。地方の隅々まで、あるいは中小企業までとはいかないが、自分でクラウドを運転しようとする企業は増えてきているのでは」

 こういった企業は共通して、現状のままでは生き残りが難しいという危機感にさらされているという。いわゆる“GAFA”などがさまざまな事業に手を広げつつある中、リテールをはじめ多分野の企業がこれまで以上に激しい競争にさらされた結果なのではないかと亦賀さんは予測する。

 「こういった状況だからこそ、これまでの考え方のままでいる企業と、クラウドの考えを理解している企業には差が出る。すでに海外と日本ではF1レーサーと素人ドライバーほどに差が開いている。ここからさらに10年たてば取り返しのつかない差になる可能性もある」

「できる人がいない」は言い訳? “いま”必要なクラウドリテラシー

 とはいえ、クラウドを運用するために自らハンドルを握ろうにも、そもそもそれができる人材がいないし、そのためのカネもない──という言葉もよく耳にするところだ。だが亦賀さんは、こういった姿勢の企業に疑問を呈す。

 「クラウドをユーザーが自分で使いこなせれば(他の企業などに任せる場合と比べて)コストは10分の1程度に削減できます。自分ができないから、分からないからといって任せていると、10倍支払うことになる。それだけのお金を払うならば、人を雇った方が安くなるのでは」

 だが「そうはいっても知識のある人がいない、来てくれない」という問題もあるだろう。亦賀さんはこういった対し、担当者を管理職を問わず、自らクラウドの知識を学ぶことも重要と話す。

 「昔のオンプレミスのシステムの場合はそもそも世の中にあまり情報がなく、SIerに尋ねる他ないのも仕方なかった。しかし現在はさまざまな書籍やオンライン講座が用意されており、選択肢は豊富にある。やる、やらないでは3カ月で大きく差が出るし、1年かければ段違いの差になる。こういった取り組みを行えるかどうかが、企業の競争力の差になるのでは」

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