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水上ドローンで密漁監視、自動見回りで省人化 岩手県宮古市で実験

» 2021年07月07日 16時11分 公開
[荒岡瑛一郎ITmedia]

 水中カメラや魚群の誘導システムを手掛ける炎重工(岩手県滝沢市)は7月7日、水上ドローンを活用して密漁を防ぐ実証実験を始めた。ドローンは同社独自の無人運航システム「Marine Drone」を搭載。昼間に加えて夜間や休日に自動運航させ、密漁を監視する業務を効率化できるか検証する。

 Marine Droneは、事前にルートやエリアを指定することで、GPSの情報を基に水上ドローンや船型ロボットなどを自動運航させられるシステム。機体にカメラを搭載すれば、映像を見ながらドローンやロボットを遠隔操作することも可能という。

密漁対策の概要

 実験では、同社が開発した水上ドローンで、岩手県宮古市の近海を監視する。ドローンの最大速度は時速7.4kmで、約85時間まで連続で航行可能。自治体や地元の漁業組合の意見を参考に、機能やセキュリティ、装備の追加も行う。ただしどんな機能や設備を増やすのかは、保安上の理由で非公開としている。

Marine Droneを搭載した水上ドローン

 実験は2022年2月まで行う予定。炎重工によれば、これまで密漁の監視業務は目視に頼らざるを得ず、夜間や休日にも行う必要があったため、漁師などへの負担が大きかったという。同社は今回の実験について「水上ドローンを使った密漁対策の社会実装を目指す」としている。

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