サイバーセキュリティ2029
メールがなくなってしまえば脅威はなくなる? インシデントはメールとWebから、というけれど(1/2 ページ)
興味深いレポートが公開されています。フィルタリングツールなどを提供するデジタルアーツによる「テレワーク導入・導入検討中の組織に対するセキュリティ対策意識調査」レポートです。
これによると、企業組織におけるセキュリティインシデントの8割以上が「Webアクセス」と「メール」に起因することが明らかになっています。昨今では内部不正による情報持ち出しといったインシデントも報告されていますが、やはり外部からの攻撃に対する防御が、引き続き重要なようです。
個人利用においても、この傾向はさほど変わらないと思います。コンピュータウイルス(マルウェア)が入ってくる経路は限られており、まずはメールとWebをどうするかということを考えなくてはなりません。
ところで、来るべき未来ではこんな脅威はなくなり、何も考えなくても安心してインターネットが使えるようになるのでしょうか。残念ながら、そこに至るには相当の時間がかかるのではないかと思っています。
メールがなくなったら、脅威もなくなる?
最近では、ベンチャー企業をはじめとする小さな組織での「電子メール」利用率は下がっているのではないかと思います。メールはインターネット初期から仕組みがあまり変わっておらず、たびたび脅威にさらされています。
特に「迷惑メール」に関しては苦しめられた方も多いのではないでしょうか。いまではフィルタリングの仕組みがうまく回っており、迷惑メールフォルダの中に直接入って、受信箱ではしばらく目にしていないかもしれません。これこそ、技術による勝利ともいえるでしょう。
そして、電子メールの使用率を下げる大きな要因はやはり「メッセンジャー」系ツールの台頭かもしれません。進んでいる企業であればSlackをはじめとするツールがコミュニケーションの重要な役割になっているでしょう。先ごろ発表された「Windows 11」も、「Teams」のメッセージツールがOSに深く連携することが話題となりました。
コミュニケーションの中心がフォーマルなメールから、カジュアルなメッセージツールに移行するのは間違いないでしょう(ビジネス用途においては、証跡としての記録をどう取るかという課題があるとは思いますが)。メールが根絶されるというより、いまでいうFAXのような立ち位置になると、個人的には予想しています。そうなると、メールを起点とする脅威もなくなる……といいたいところですが、メッセージツールにおいても脅威は存在します。しかも、いままさにそれが起きています。
前回もお伝えした、配送業者を語るSMSによる脅威は、まさにメールと同様の入り口が狙われたと考えることができるでしょう。つまり、メールそのものに問題があるというよりも、単に今一番使われているコミュニケーションツールだからこそ、攻撃者は狙うのです。残念ながら、将来的にメールがなくなれば解決する問題ではないと考えています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
サイバーセキュリティ2029
2020年代の終わりまで、自分の身の回りのコンピュータセキュリティを安全に保つにはどうしたらいいのかを考える連載です。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
2
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
3
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
4
グッスマに不正アクセス、公式EC閉鎖 会員の住所や注文履歴など漏えいか 再開目処立たず
-
5
Xの「いいね」長押しで1ドル送金 マスク氏が“投げ銭”機能を予告
-
6
たばこ休憩なき時代の“一服”をどう取るか 温熱と“聞こえない音”で休む、JT子会社のアイマスクを試す
-
7
「楽天ドライブ」に不正アクセス 保存したデータなど1.5万アカウント分が取得・閲覧のおそれ
-
8
パナソニックHD子会社、使用禁止の生成AIに従業員約33万人分の個人情報をアップロード
-
9
「能動的サイバー防御」きょう開始 警察・自衛隊などが攻撃元サーバを無害化 高市首相も狙いを説明
-
10
「漏えい」の一言で素通り客が振り返る──相次ぐ情報流出の中で開幕のセキュリティ展示会 来場者の態度も激変
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR