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グローブなしで触覚を再現する「Touch&Fold」、非使用時は爪側にくるりと収納 シカゴ大学が開発Innovative Tech(2/3 ページ)

» 2021年08月12日 11時00分 公開
[山下裕毅ITmedia]

 デバイスは24×24×41mmのサイズ、総重量9.5gの中に、アクチュエーター、電子機器、バッテリーを含み、Bluetoothによるワイヤレス通信が可能。収納はモーター駆動のレールを介して行われる。

photo 本デバイスの概要図

 バーチャルオブジェクトに触れようとすると、爪部分に収納された機器が指の腹に回り込み覆うように移動。セットまで92ミリ秒という。バーチャルオブジェクトに触れると接触と圧力を提供する。また線形共振アクチュエーター(Linear Resonant Actuator、LRA)が埋め込まれているため、振動によって指の腹でバーチャルな質感も表現する。デバイス自体を揺らす触覚効果も生み出せる。バーチャルオブジェクトから指を離すと再び爪へ収納され、素手の指の腹で実世界の作業が行える。

photo 本デバイスが回転し指の腹にセットする仕組み

 本デバイスの有用性を評価するため、自転車修理用のMRアプリケーションを作成した。ここでは本デバイスとHoloLens2を身につけ、内蔵の深度カメラで手を追跡する環境下で行われた。実世界ではレンチを握り、バーチャルでは修理のガイダンスが表示される。次へのボタンを押す際に本デバイスが発動し押した感覚を提供する。離すと収納され、ユーザーは素手の指の腹でレンチを触り操作が行える。

photo バーチャルなボタンを押す様子

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