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フジロック、生配信は盛況も「自宅フジロック最高」とはならない理由(1/2 ページ)

» 2021年08月20日 20時32分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 新潟県の湯沢町で8月20日、国内最大級の野外音楽イベント「FUJI ROCK FESTIVAL'21」(フジロック)が始まった。その模様はYouTubeで生中継され、20日は平日にもかかわらず多くの人が視聴したが、複雑な心境の人も多いようだ。

「FUJI ROCK FESTIVAL'21」(公式サイトより)

 配信はYouTubeの「フジロック公式チャンネル」で実施。3つのチャンネルを設け、それぞれ1日に6組から7組のライブを中継する。出演者のインタビューや現地苗場の模様も伝える。

 視聴は無料とあって配信は盛況。初日は時間を追うごとに視聴者が増え、午後7時に始まった「MAN WITH A MISSION」のライブは一時11万人を超える人が同時に視聴した。

 ただし開催を巡って物議を醸し、参加を断念した人も多いだけに複雑な心境の視聴者も多いようだ。SNSでは「配信ありがとう」「無料でここまで見せてくれるとは」という歓迎の声に混じり、「自宅フジロックは最高って自分に言い聞かせながら中継見てる」「なぜ私はフジロックをキャンセルして満員電車で配信を見ているのだろう」といった声もあった。

感染防止策の例

 フジロックを運営するSMASHは、入場者を例年の半数以下に抑え、酒類の販売や持ち込みを禁止、来場者に事前の検温や抗原検査を求めるなどの感染拡大防止策に力を入れた。公演中も観客は常時マスクを着用し、歓声や人と接触する行為は全てNGだ。

 出演者も観客に注意を促す。初日の昼にステージに立った4人組ロックバンド「TENDOUJI」のアサノケンジさんは、マスク姿の観客に向け「とにかくダサいこと(=ルール破り)はしないようにしましょう。お酒は制限されても音楽に制限はない。これ一本でめちゃめちゃ楽しんでいきましょう」と呼びかけた。

 苗場スキー場がある新潟県の新規感染者数は19日に過去最多の132人を記録。フジロックもPCR検査で陽性が判明したり、感染状況を考えて出演を辞退したりする出演者も相次ぐ。19日には小泉今日子さんと上田ケンジさんのユニット「黒猫同盟」が出演をキャンセルし、20日もシンガーソングライターの折坂悠太さんが辞退を表明している。

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